
雑記21
アイドリング
エンジンというのは自分で動き出す事が出来ない事があって、普通はアイドリングが出来ます。他には発電の為とか、暖まっている為とかもあるでしょう。バイクなどの高回転型ユニットになる程、低速トルク不足や軽量フライホイール、カムオーバーラップの影響でアイドリングを上げないといけません。50ccの原付で1300rpm、125ccでも1200前後、750Fは1100rpmとなっています。これは暖機後の数字です。まあ750Fはトルクに余裕があるので、ちゃんとセッティングが出ていれば800rpm位まで軽く耐えられますが、充電との兼ね合いもあるので、メーカー指定は守りましょう。ここら辺はスクリューで簡単にいじれます。
じゃあ車はどうかと言うと、もちろんスクリューでバイパス流量を絞れば回転はいじれる訳ですが、ISCVというコンピューターのいじるスロットルが勝手に調整するので、人が任意でいじれる訳ではありません。逆に言えば調整が適当でも困らない訳ですが、逆に知っていると不安になるのがRSのアイドリング制御です。カローラの5AーFEはアイドル600rpmで、止まった時にエンジンを意識する事がありません。それほどまでに静か。しかしそれだと暖機が掛かる為か、アイドルアップは1100rpm程度まで上がりますし、スモールライトを付けてもアイドルアップします。つまり制御が細かい。逆にRSは元々850rpmと回っている為か、スモールどころかライトを上げてもアイドルに変化が見られません。なにやってんだ?と不安になる位。ところが暖機だけは、なぜか思いっきり回ります。
今日も室温20度だから、外気温17度前後の中車を動かしたんですが、アイドリングが1500rpmまで上がります。寒い時に冷やされるエンジンの事を考えても、恐らく水温は15度以上はあるでしょう。それで1500rpmまで回る必要はあるのか?って話になります。事実始動してすぐに発進しても、トルクが痩せているとかレスポンスが非常に悪い、と言った暖機不足による圧縮落ちみたいな症状はほとんど感じられません。1500回転回っていると、余裕でアクセルなし発進が出来てしまうので、逆にもてあまします。マツダがどんな制御をしているのか知りませんが、あんまり環境に優しい、静かな制御じゃないですね。
追記:タコメーターの数値としてはほとんど見えませんが、スモールで若干アイドル音が変わったような、50回転ほど余計に回っているような感じはしました。でもオルタネーターの負荷が増えて、その分ISCVがバランスさせただけかも知れません。
モトGP
今回はドカドカの先手を打ってモトGPの模様をお伝えします。我らがダイジロウの活躍ぶりをたっぷりと。これまでの経緯を書くと、やっと2stNSRにも見切りを付けて、RC211Vというチャンプマシンを手に入れたのが3レース前。そのチェコGPでは、いきなり2位と、ロッシがいないながらも、その存在をアピールしました。同時に同じ日本人で、ドカドカが嫌いな宇川よりも「同じマシンなら」速いという事を証明して見せたレースでもあります。ところが次のレースでは雨で転倒が相次ぎ、結局ダイジロウもリタイアしてしまいました。そして今度のブラジルGPも、最高に盛り上がらない雨のレースです。さて、今度こそ、そのニューマシンでロッシと絡める、と期待が膨らみましたが、それは一瞬で絶望に変わります。オイオイ、スタートで転けてちゃ話になんねーだろ!あ、ダイジロウが転けた訳じゃなくて、彼は巻き込まれたみたいですけどね。という事で彼の決勝での仕事はマシンをスターティンググリッドに付ける事で大半が終わりました、合掌。
しかし初代チャンプになったロッシは二位にダブルスコアー。宇川が2位なので、腕としては宇川はロッシの半分って事なんでしょうか。やっぱ凄いですねー、嫌いな人もいるけど。あとマシンも凄いです。雨だとパワーよりコントロール性が重視されているはずですが、そこでも2stを大きく上回っていますし、もっと4stだらけになったら「いい勝負」が期待できるのではないでしょうか。来期にはドカとカワサキの参入の可能性もあるそうで、そうなると新しいライダーも参入するのかな?しかし、下のクラスでも同様な事が起きるので、しばらく混乱が続きそうな感じ。
しかし私としては、モトGPに限らずモータースポーツ全般で日本人がこれだけ活躍するようになったにも関わらず、全体の熱意は大きく後退しているような感じを受けます。テレビでの放送も深夜やずいぶんな所でちょびっとやるだけだし、ホンダの宣伝番組のブーンも終わったし、F1も同じなんですが、人々の興味を引いていない気がします。それはレースが面白くないとか、チャンピオンが嫌な奴だ、というスポーツ側の問題もあるでしょうし、リクリエーションの多様化によって人々の興味が多様化したのもあるでしょう。でもそれに甘んじていては、この先のモータースポーツの発展はあり得ません。もっと興味を引くようなネタがないと、ダメなんです。
例えばFニッポンでは、レース前に子どもをレーサーが普通の車の同乗走行させる、という事をやっています。確かに視聴者には見えにくい事ですが、子ども自身はきっと大きなインパクトを受け、もしかしたらレースに参加しようと思うかも知れません。またJTCCのような、中身は別もんだけど、一応知ってる顔の車が走る、ってのもいいかも知れません。中身はF1だけど、外見はビートルとかだと燃えるでしょ。イニDにしても、知っている車が走っているから受けている面もあって、そうでなければもっとFDとかインプとか出てきていいはずです。なんかマシンとの総当たり戦に見えるのはなぜでしょう。あとレーサーにもっと面白いのを引っ張ってくるのもいいかも知れません。最近の例ではスケート選手がビッツレースをしていますが、あんな感じで女性アイドルなんかが乗っていたら面白いのでは?と感じます(それで勝てるかは知らないけれど。)レースクイーンの変わりに、セクシーマッチョガイが作り物の笑いを浮かべて・・・とか考えると面白いような。女性から見たレースクイーンってそんな感じなんですかね。
最近の傾向を見ると、マシンが行くところまで行ってしまって、確かにレベルも上がっているんだろうけれど、見ていて分からない、という問題もあります。かといってレギュレーション厳しくしてワンメークレースみたいにすると、今度切れ味の悪いレースになるかも知れない。そこら辺はもっと大衆の意見を汲んだレース設計を主催者に求めて行きたいですね。例えばmotoGP選手にはカブのワンメークレース強制、それもダートで、とか。
それから解説者の充実も重要なんじゃないでしょうか?F1の中継を見ていると、大抵鈴木アグリとかが解説、アナウンサーとパドックのリポーターという構成になっていますが、今一面白くありません。実際フェラーリが速すぎて特に語るべき物がないのかも知れませんが、話が出るのは出走前の予想と事故の時だけで、F1のすごさが今ひとつ分からない。私はガソリンよりオイルが流れている人なので、もっとメカ的な物を含めた話を聞きたいのだけれど、いつもピット配分とかフェラーリのチームオーダーの話とかです。逆に言えば今のF1は、それだけ組織戦になっていて、ドライバーも非常にレベルが高い所で均衡しているのでしょうか。バイクに関しては、口が回るライダーがいないのか、解説を生で聞いた覚えがないのですが、F1よりはライダーの自由度が高いし、前半でメカ的な物を解説、後半でライダーの視点からの解説があってもいいのでは。
デフにNNL
雑記20で書いたように、デフにこそ極圧剤は必要、とデフオイルに添加してみる事にしました。でも車体をジャッキアップして馬を噛ませないといけないから大変です。でも舗装の上でやるとすっごい楽でした。これまで砂利の上だったからなあ。でもジャッキ自体が滑らないで、車が手前に寄ってくる感じで上がったので、ちょっと怖かったです。前輪に輪留めかけているのに、意味ないじゃん。ジャッキのタイヤが渋いみたいですね。あと路面もちょっと傾いていました。
デフオイルはよっぽど汚かったら換えよう、と思っていたのですが、この前交換した時よりはずっと汚かったけれど、まだまだ粘度があるので交換は見合わせました。まあ当然ですね。でも2万キロ以上走ったオイルより、今のオイルの方がずっと黒っぽいです。やっぱり運転が荒いから、そんなに持つ物でもなさそうです。また色が薄くなっていました。デフオイルは色が無くなるのかな?量自体はちょっと漏れているので心配していたけれど、減っていませんでした。フィラーボルトはなめたので、新品を注文してあったので、それを使います。まったく前締めたやつはどんな素人だ?とか言いつつ、私も23mmボルトを24mmのポジドライブで回しているので、なめても文句が言えません。でもこの大きさの1mmなら平気ですよ、フィラーだし。
NNL690は目分量でオイラーに入れて、それでデフケースに入れます。その前にちょっと抜いて、NNL690の後で前のデフオイルの残りを足します。これで量はいいはず。デフオイルはRSは650ccという事で、かなり余ります。またデフオイルには硫黄が極圧剤として使われているので、かなり臭います。デフほど極圧性能が重要な所はないので、これは効いてくれそうです。
走ってみると、なにか違うのは感じます。若干ギアの入りも良くなったような。エンジンでも反応が進んでいるので、デフだけで比較はしづらいのですが、デフには最適なんじゃないかと思います。またデフでは多分即効性があります。NNL690は遅効性と言われますが、極圧潤滑の部分での反応は瞬間ですから、即効性も感じられます。すぐにエンジン音も変わります。ただそれほど極圧性がない所ではフィルム形成が遅いか、足りないかなんでしょう。実際チムケンテストで極圧性をチェックすると、特にフィルム形成がどうこう言わなくてもとんでもない性能を発揮します。あと古い極圧剤と入れ替わるタイムラグがあるかどうかです。後はハイポイドリングギアで反応するのに充分な量の成分があればいいわけです。この効果を知ると今度ミッションにも入れたくなります。
ただミッションに関しては入れて無駄ではないだろうけれど、デフ同様の濃度が必要か疑問があるし、そもそもオイルに頼るのも情けない感じもします。まず濃度の話をすると、ミッションはハイポイドギアは使われていないので、極圧成分はさほど必要ないと思われますし、そういう摩擦ロスもそれほど大きいとは思えません。ま、確かに結構熱くなるオイルなので、入れて無駄ではないでしょうが。ギア自体は多いので、全てのギアで充分な成分を確保するには、確かに濃度は高いほどいいかも知れません。でもそれだけです。情けない、というのはつまり、ギアの入りをオイルで良くしよう、というのは自分の技術不足を認めている面もあるので、もし最適なオイルを使ってなおNNL690で楽しよう、というのなら、やめた方がいい気がします(上手い人が更に良くしようというのならいいのですが)。確かに初期型RSの許容度が低いミッションは、多少無理を添加剤で聞かせるのもいいでしょうが、本来は腕の問題です。ちょっと無理してシフトしなければいけない状況で使う為には、仕方ない処方でしょうか。
あとテールの整流板は奥に入れるといい感じ。流速を上げた渦が、ある程度密閉された筒を進むことで、全体的な排気効率が進むような感じがしますし、低速からも調子いいです。RSはテールはダミーで太いエンドがついているので、本物の管にくっつく位進めた方がちょうし良かった。
それからデフ関係ではLSDとオイル添加剤についてちょっと考えてみたい。バイクだとよく湿式クラッチを使っているので、オイル添加剤によってはクラッチが滑る事を心配する。具体的には固体潤滑剤であるモリブデン系には弱いみたいだ。同様にLSDにGRPは使用を薦めない事がメーカーから言われている。でも私はこれに疑問があるし、実際メーカーも痛し痒しの問題だと思う。LSDがあろうがなかろうが、デフオイルには極圧成分が使われていて、ハイポイドギアを焼き付きから守っている。だからデフオイルも極圧性が高いほどいい。でも機械式LSDに関しては極圧剤がないデフオイルが使われているのだろうか。そんな事はない。むしろ粘度を上げてクラッチ板を滑らせてロックを下げているようだ。まあカムを入れてロック性能をコントロール出来る奴は、もう少し賢い制御をしていると思うけれど、一応多少は滑っている。そして確かに一瞬でロックしてくれる事が重要ではあるのだが、その時に極圧剤があるとよっぽど悪いのだろうか?
それはクラッチの設計と使用程度によると思う。LSDがロックしている時は多板クラッチがくっついている訳だから、お互いに滑ればそりゃロックしない事になる。でもそのロック時のお互いの接触力は、例えばドリルで穴を開けられるような極圧状態なんだろうか?古い設計のLSDではこのクラッチ板の面積や枚数が少なくて、イニシャルを高めてロックを上げていた。そういう設計だとクラッチ板にかかる力は大きくて、極圧剤によっては滑りがおきるかも知れない。でも今のトルク伝達能力に優れたLSDはクラッチ板がそれほどの力で押しつけられているようには思えない。単位面積当たりの押しつけトルクはそれほど大きくないのではないだろうか?そういう時に極圧剤はどう働くのか?いくら極圧剤が使われていても、トルクが全く伝わらないという訳ではない。チムケンテストでモーター電流量を見ると、非常にわずかではあるが、どんな極圧でも電流が増えるのが分かる。でも高性能な物は本当にわずかだけどね。つまりクラッチが滑らない領域は必ずあるはずだ。それを超えるロック力を求めたり、面積が低いと上記のように滑るとおもう訳だ。実際GRPメーカーサイドに近い所での裏話で、LSDに使った話が出ているが、競技車両で同一車種で、ある車両には発生し、ある車両では発生しなかった、とある。滑る方には感覚的に、ああ効いてるな、と分かるが、滑らない方は潤滑性能が悪かったのだろうか?私は必ずしもそうとも思えない。要はトルク伝達が出来たかどうかだから、極圧だけなのか疑問に思う。
なんでこんな変な事を考えているのかと言うと、とある業者のサイトでクラッチ(フライホイール)にドライコートスプレー(モリブデン塗装)を行うという事が書いてあったからだ。そんな事したら、クラッチが滑るだけだろ?と思うと思うが、実際クラッチは滑る物である。適度に滑ってくれないと困る。でも完全ロック時にはちゃんとロックしてくれないと困る訳だが、塗装なので乾燥していて滑らないそうだ。つまりロック性能は確保しつつ滑ってくれるのがいい訳だ。またクラッチトラブルの例として、クラッチ板とフライホイールとの密着が悪かったり焼けたりする例が挙げられているが、それらは設計や組み付けが悪い以外では、使用していて上手く密着、摩耗しなかったという事でもある。多板でトルク伝達する時に重要なのは、一つは圧着力な訳だが、もっと重要なのは、圧着面積があるかどうか?ではないだろうか。もし一点でロックしているとすると、そこにストレスが掛かって焼けたり、他が歪む可能性もある。そして上で挙げた滑らなかったLSDの例だが、むしろロックしなかった方はトルク伝達面が歪んでいて充分なかったのが原因じゃないだろうか?GRPが境界潤滑を始めてしまう領域まで荷重が上がってしまってむしろ滑り出したのではないか?と思ってしまう。ま、入れて滑ったのは事実だから、やっぱりお勧め出来る添加箇所ではないだろうが、そういうLSDは逆に後にトラブルを起こすような気もする。
ミッションにNNL
失敗したー。フィラーを緩めてオイルを入れようと思ったが、手持ちのオイラーだと入れられない。洗浄ビンタイプのオイラーならいいのは百も承知で、シリコンチューブに入れてから、ポンプで圧送したら、充分に入った。後はフィラーを締めるだけ、という所でチューブ先端に付けた一回り大きいシリコンチューブがない事に気がついた。チューブだけだとオイルの重さでフィラー穴から落ちる恐れがあるので、一回り大きいサイズの物にねじ込んでおくと落ちないのだ。押し込む時は結構きつくて安心していたのに、なぜかそれがない。つまりフィラーからボックス内に落ちてしまった訳だ、アンビリーバボー。
選択としては「見なかった事にしてミッションのギアに噛まない事を祈る」「シリコンチューブごときギアに噛まれてちぎれるさ、と諦める」という取り出さない選択と、ギアボックスをばらして取り出すという現実的には不可能な選択しかないかに思われた。数百円のフィラーをけちったばっかりにギア全バラなんてアホすぎる、と思っていたが、このチューブごときでミッションロック、下手すりゃ事故というのも嫌だ。そこでダメもとでミッションオイルを抜く事に。しかし一回目ではチューブの先端は出てこない。諦めかけたが、もう一度オイルを流し込んで流される事にかえた。ドレインからはかなりの濁流となってオイルが出てくるのだが、ちょっと引っかかりを感じる所があった。ちょっとメタルがかったオイルをかき回すと、そこにはチューブがありました。一時はどうなる事になるかと思ったよ。という訳で、私は一日に2度ミッションオイルの交換をしました。あー、もう人のもタダでやっていいぐらい慣れました。
ミッションに入れた結果ですが、Nから1速へ入れる時とか、多少加速している状態からのギアのぬけとか、良くなった気もします。でもエンジンにも残りのNNLを入れて、ますます調子が良くなったので、どの位良くなったか分かりません。今回の150mlの内訳はエンジン90ml、デフ20ml、ミッション30ml,,残り10mlと言った所です。150mlよりちょっと多いような気がするな、このボトル。
ところでミッションのドレインボルトですが、デフ同様非常に薄い、なめやすいボルトを使っています。ポジドライブだとカドが引っかからないので、斜めにソケットが引っかかる感じで、トルクが掛けずらいかと思います。でも、ここのサイズ24mmというのは、ドレインの為に大きいサイズなので、多分深いボルト頭を付けると馬鹿力で締めてボックスを割ってしまう恐れがあるのでしょうか。あと路面とヒットして頭が引っかかり、やっぱりボックスを壊す恐れもあります(一応ボックス側にボルト当たり止めがあるけれど)。一応磁石がついていて、金属粉がついていますが、それほど多くはありませんでした。逆に言えば少量ながら削れはある訳ですが。
教訓:手間と金は惜しむな。
悪魔のZ
知っている人は知っているS30Z最高速仕様をグランツーリスモで作ってみる事にしました。この車は日産の中古に時々出ています。型式番号が240ZとかHS30とか色々なっているのはどういう事なんですかね。当然ながら北見サンよろしく、最初はL28をメカチューンNAでいじり、後に排気量を上げて、最後はツインターボの予定でした。メカチューンは一応ステージ3までやったんですが、簡単に300馬力を超えます。そしてテストコースで走らすと、湾岸ミッドナイトで書かれている国内最高のL型メカチューンの272kmを超えてしまいます。アレ?このゲーム最高速に関しては甘い?
そして今度はツインターボ化だ!思ってターボを見てみると、ステージ1がありません。2もありません。おやー?やっぱりドラッグ仕様か最高速仕様が主なのかな?そういう車って見たことないけど、と思って見てみると、ターボがラインアップされていません。どうなっているんだ、ニスモ!という事でこのゲームで悪魔のZは作るのは不可能でした。でもNAのままで大台には乗ります。それからこの車はオリジナルはキャブにポイント点火だと思っていたんですが、やっぱりコンピューターという設定しかありません。ここがキャブになっていて欲しかったなあ。
ところでこのゲームの最速マシンはどれでしょう。コースで違うと思うだろうけれど、なぜかRX−7のレーシングモディファイバージョンが最速です。一つはコーナリングアビリティーが軽い車体とか太いタイヤとかあって非常に高い。そしてやっぱりエンジンの吹けが最高でしょう。一説だとGT390が速いそうですが。プレゼントカーなので、過去のデーターでは持っていたのですが、今は持っていません。ロードカーバージョンはありますが、ギアがクロスしすぎていて、最高速はないし、パワーもなさすぎ。いじればいいのかな?
またこのゲームでは、スペシャルと言って各社のワークスマシンが売っています。達成率を上げる為に面白くない車を改造してポイントを上げていたんですが、いちいちレーシングモディファイするのが面倒になって、ダイハツのストーリアでワークスマシンを買ってしまいました。その時はレーシングカーのカテゴリーに出るのに改造費が一千万かかるなら、出来合のマシンの方がやすいと思っていました。ところが実際レースをしてみるとこのマシンは撃速で、他のマシンなんか全然相手になりません。手応えないなあ、やっぱりワークスマシンは市販車をいじったのとは違うなあ、と思ってよくよく金額を見てみると、一桁違いました。ストーリアに1億も掛けるつもりなんてなかったのに、データーセーブをしてしまったので時すでに遅し。しかし逆に言えば恐ろしいマシンを手に入れたと思います。かなり速いです。250kmは出るし、6速ミッションだからつながりもいいし、軽いからコーナー速いし、RX−7RM程じゃありませんが、フツーのマシンの600馬力クラスのレースだと楽勝です。
追記:当然ながら964ターボの極悪改造もあるんですが、RUFがメーカーなので新車から北見チューン状態です。クラスSにRUF CTR2がラインナップされていて、アーケードディスクで遊べるので、てっきりあの程度の「乗りづらさ」だと思っていました。はっきり言って甘かったです。選んだのはイエローバードと呼ばれる、ここの過去の看板マシンなんですが、本当に最悪でした。高速でアンダーなんて物じゃなくて、単なる危ない欠陥マシンです。200km超えると本当に曲がりません。過去のどのマシンより曲がりません。一つはRRという事と、もう一つは完全にパワーに負けている事です。しかしブレーキで前荷重にしても曲がる気配が薄いし、俺には乗れない・・・と早速諦めました。こんなん乗れる奴は異常だ。ちなみに織戸学というドリフトチャンピオンからレーサーになった、まさに土屋二世みたいな人(でもスカしたクールガイだけど)が、以前この会社のとあるドライバーにすごいショックを受けたと言っておりました。アホみたいに飛ばすそうです。同じ事を過去に自動車ジャーナリストで911オーナーの手記でも読んだ事があります。絶対的に危ないマシンで、なんでそこまで攻めるのか、プロでもひるむ事を公道で。このイエローバードで500馬力行くか行かないかなので、それが700なんて物になったら恐ろしいの一言です。
クラッチエア抜き
特に新しい事を書く必要はないのですが、参考までに書くと、運転席前輪を外すと簡単に手が届きます。ブレーキ同様人に踏んでもらってエアを抜くのですが、どうもブレーキと違って反力はクラッチダイアフラムスプリングだけなので、そんなに高圧は掛かりませんし、逆に言えばエアを噛んでもその程度です。私も結構エアが溜まっているのではないか?と期待したんですが、特に変化はありませんでした。今度マスターいじって変化を書きたいのですが、レリーズベアリングがやっぱり怪しい。
それから運転席側のローターも外して磨きました。前輪のローターはやっぱりなんかコーティングされたような輝きがあります。どうも水をはじくようで、磨いていると水が乗りません。最初カーボン皮膜かなにかと思ったんですが、違うんだろうか?ボルト類を一度緩めてあったので、簡単に整備できました。ブレーキの効きですが、助手席側だけだとあんまり変化は感じなかったのですが、運転席側はかなり変わりました。何度かフルブレーキを試してみたんですが、ロックが明かに楽になりました。やっぱり滑っていたようです。アタリがでればもっと良くなる事が期待できそうです。それにしてもブレーキパッドを広げているスプリングは、一体なんの役に立っているのか分からない。外してタイヤを回しても、特に引きずり症状が出る訳でもないし、ない方がいいんじゃないか?それともブレーキを掛けた時にローター外側の方が食いつき過ぎるのを止めるように働くのだろうか。
MBT
メイン・バトル・タンクの略じゃありません。そういえばATMってのも最初違和感ありましたね。これはミニマム・アドバンス・フォー・ベスト・トルクの略で、なぜかAが省略されています。え、これじゃなにだか分からない。エンジン点火時期をどこまで進めたらいいのか?という指針です。点火時期は一瞬で燃えるなら圧縮上死点で点火すればいいのですが、実際は燃焼遅れがあるので、高回転ほど点火時期を進めます。逆に中速ではガス流動があるので、割と遅らせてもちゃんとピストンを押す力になります。また低速だとこんど燃焼速度が遅くなるので、やっぱり多少進めるのかな?まあここら辺は設計次第でしょう。で、ある程度回っているエンジンで、点火時期をいじって進めすぎてガスが今度ピストンを押し戻さない程度に遅く、またピストンが上死点を過ぎてから最大燃焼圧になって、有効にピストンが下がらない事がない程度に早く、というのを示してMBTを言っていると思っていました。
しかし、この考えだと、この略語はマキシマム・ディレイ・フォー・ベスト・トルクという言い方も可能だよな、という事に気がつきました。もしかしたらMABTと略さないのは、MDBTという事も含めて言っているのかも知れませんし、同じ概念だけど分かりづらいのもあるでしょう。遅い方から進めるのは可能ですが、ノック側から遅らせる、というのは原理的に難しいからです。でも実際はエンジンはノック限界を計って、そこから遅角する方法でセッティングを出すので、あながち無理な話でもありません。むしろノックさせないとMBTは分からないとも言えます。エンジンには機種や個体毎にノッキング限度が回転とスロットル開度(負荷)で決まっています。このノッキングのラインを調べて図にしたのがトレースノックと呼ばれる、そのエンジンのノック限界らしいのですが、普通はそのノック限度から3〜5度遅角したのがMBTだと思われています。いや、トレースノックライン自体がMBTかも知れません。ノックは一端起こればエンジンを壊す現象ですが、そのギリギリがパワーも出せるそうです。で、リスクマージンやドライバビリティーを考えて、トレースノックより若干遅角して制御されています。やっぱりMDBTの方が正しい言い方のような。
そんな事を考えていて思ったのですが、実はMABTにはもっと深い考えがあってMBTと書いているのではないか?と考えました。その理由はつまりベストトルクの質によると思うのです。なんでマキシマムトルクを求めないかと言えば、それはノッキングと隣り合わせだからです。ですからベストトルクをマキシマムトルクの何パーセントと決めて、そのラインになる最低の点火時期進角をすれば、一見簡単にMBTラインは得られるように思います。また実際問題そういう物かも知れません。でも数値として同じトルクでも、実は違うんじゃないか?という事も考えられないでしょうか。高回転での進角はガス圧の圧縮上死点での上昇と、逆にピストン上昇を押し戻すパワーとのバランスです。確かにノック限界で最大トルクが出るのかも知れないけれど、それは結構平坦なベストトルクの幅が存在するように思います。低回転ならガス流動が遅く、元々進角が少ないし、それだけ押し戻す恐れも少ないでしょうが、高回転だとそういう要素が大きい。
実際にそういうトルクの「棚」が存在するのか知りませんが、例え同じ数値だったとしても考え方としては同じです。その中でロスが少ない方を選ぶ理由としたら、最大ガス圧を上げてロスに勝つ考え方だと、結局ピストンスピードに大きなブレが出て、それが回転の上昇を妨げるとか、クランクをブレさせる、という事があるのではないでしょうか。結局パワーを出したラインが一番だよ、と言われるかも知れませんが、現実にはトルクのラインを点火時期と負荷別にトレースするなんて普通は無理な訳で、簡易的にノッキングを目安にしていますが、本当にそれで正しいのか?むしろ点火時期は遅ければ遅いほど、ほぼ同じトルクを出していればいいのではないかと考えてしまいます。またピークトルクを超えるとノッキングを起こすというのもちょっと疑問があります。まあこの事は自分でセッティングしてみないといけないですが。
(用語に間違いがあるかも知れませんので、自分で調べて読んでください)
追記:やっぱりトレースノックラインとMBTラインには一定ではないズレがあるみたいです。高回転ではノックギリギリに詰めるのは厳しいのは分かっていましたが、あそこはMBTラインとトレースノックが近いから、無理してでも詰める必要がある訳ですが、低回転ではノックを利用しての点火時期調整は意味がないみたいです。上でなんでMDBTじゃないのかの理由に、ノックラインより下はずっとトルクは下っているから、ノックしている状態からリタードするのは無理だろ?と書きましたが違いました。トレースノック直後よりやや後の方がトルクピークがあります。つまり点火時期をノックするまで進めると、すでに美味しいトルクは超えている訳です。
理由ですが、いくつか考えられます。一つはガス流動が少ない低速では火炎伝播速度が低く、一瞬では混合気が燃えない。つまりゆっくり燃焼している訳です。また燃焼室も充分に冷やされて、あんまり熱くありません。するとノッキングの原因であるエンドゾーンから燃えるには、よっぽどな圧力が圧縮上死点で出てくれる必要があり、それにはピストンを押し戻すほど手前から火を付けなければいけません。という事はノッキングを起こす条件は確かに圧縮上死点で最大のガス圧というのは合っているんですが、ゆっくりながらピストン上昇中に押し戻す燃焼をしないといけません。つまりトルクを捨ててる、という事ですが。
そこで考えつくのが私のRSの点火時期ですが、まさに低速でノックを目安に進角させていました。というか無負荷や軽負荷だとノッキングは出ないので、調整機構が許す限り進めてます。でもアレは間違いの可能性がある訳ですね。でも一方で高回転ではまだノックが出た事はないので、純正のマージンはよっぽどあるんじゃないか?と思います。ま、それは措いて置いても低速を直すにはある程度リタードした方がいいかも知れません。カローラとの違いは案外そんな所かも。それで高回転が非常に悪くなったらROMセッティングしかないんでしょうかね。
桜シメジ
久々に山に入ってキノコを採りました。まだ桜シメジが出たてで、早かったようでしたが、他にもジゴボウとかアミタケとかクリタケとかイッポンダケとか、ここ数年あんまり採った覚えがない物も取れました。シーズンが早いなりにおもしろかったですね。この山は長年採っている場所ですが、いつ来ても気持ちいいです。特にキノコの時期は葉っぱの腐る臭いがぷんぷんして、いかにもキノコが採れそうな雰囲気が分かります。しかし長靴が足に合わず、ちょっとツメが痛くなりましたが。
最近の燃焼室
先日大量にオイル食いが起きてからNNL690を入れてオイル消費を見ていた燃焼室を洗った。前回は画期的な洗浄方法を発見したにも関わらず、3番、4番で大量のオイル上がりが確認されて、燃焼室が汚れるのを知りながらオイル消費が戻るまで手が出せなかったのだ。まあ今もオイル消費が消えた確証はないのだけれど、一応添加剤も入れて調子もいいし、燃焼室の具合を見る事にした。最大の効果は数万キロで出るらしいが、そんなに待ってられないし、調子もいいしね。
インジェクタークリーナーの効果かプラグ自体は割合綺麗だった。逆に言えばクリーナー入りだから見られた物だったのかも知れない。3、4番はあれから特にオイル上がりを起こした気配もなく、やっぱり一時的な物だったようだ。しかしその原因は過度の洗浄性能でスラッジかなにかで保った気密漏れの可能性も高く、汚れる事でオイル消費が減った疑いが捨てきれない。ディップスティックではオイル消費は止まっている。で、またクリーナーを突っ込んでみた。これまでプラグホールに入れる時にはスプレーの先にノズルを付けてやっていたのだが、それだとどうも燃焼室側に届くまでにプラグホール内に吹き替えされて無駄になる量があったので、今回は細いホースを燃焼室に入れてから吹き込んでみると、中で泡立たずにいい感じ。今度はちゃんと内径があったサイズのホースでやってみよう。プラグで蓋をして待つと、相変わらず恐ろしいまでの洗浄力だ。

左が3番の「漬けた」直後。で、これを拭くだけで右のようになります。
それから最近燃費が悪いので、エアフロを一応純正値に戻す事にしました。予想だとバネを強めるとフィードバックで補正された後は、高回転ほどレートがあがって、空燃比が薄くなるはずなんですが、それが原因で悪いとしたらなんでしょう。一つはエアフロが吸気経路を絞る事でポンピングロスや吸気ロスになる事ですが、そんなに強かったかしら、バネ。またレートがそれほど上がるかどうかも疑問です。でも極低回転ではプリロード的な物が変わるのはあるでしょう。それともフィードバックをぬけないから、踏みすぎる可能性ですが、特に不満もないけど。ま、迷ったら純正状態で様子を見るだけです。
同時にECUをリセットする、そのついでにバッテリーも充電しておきました。最近夜中走るからバッテリーに厳しいかな?と思ったんですが、電圧は13V以上あって、ちょっと充電するともう満杯でした。RSはエンジンルームの熱の影響がないので、自然放電や蒸発がないのもあるでしょうし、私のはエアコンを使えないので、夏と言っても負荷はさほどでもないのでしょうか。またエアコンのコンプレッサーのクラッチが切れていないなんて事ないような?と思って、久々にエアコンを回して走ってみたんですが、コンプレッサーでのロスがないとは言え、全然走りには違いがありませんでした。むしろアイドルアップで調子がいいぐらい。
ECUリセットだけで走った感じでは、エアフロを緩めても特にレスポンスに違いは感じられませんでした。まだ学習が済んでいなかったのもあるでしょう。ただ洗浄のせいか、回転の上がり具合やアイドルの安定性は非常に良かったです。でも、その状態で試走してみて感じたんですが、最近燃費にいい運転していないのもあるかな?と感じます。比較的短距離ばかり乗っているし、気温が下がっているし、結構加速も速度も上げています。まあクルーズ速度なんか60km/hと100km/hでも、大した差はないと思いますから、重要なのは加速でどれだけ踏んでいるかなんですが、町中だとつまりトップスピードをどれだけ出しているか?という事にもないます。正直エンジンだけ見るとカローラの5A−FEの方が素性がいいな、ってのを今日も感じました。カムやらインマニやらで、もちろん回してもパワーは出ない。でもB6のブルブルした感じは少ない。まあ走っているとボディーとかエンジンマウント(B6は弱くて有名だがトヨタは液体封入式で非常に静か)とかミッションひっくるめての評価になるのだが、回転にムラが少ない。オイルをモービル1に換えてから、更にその傾向は高まりました。ハイメカ系のA型エンジンも、腰下は多分GE系と共通点が多くて、剛性が高いのではないかと予想しますが(4A−GEのブロック強度はスーパーチャージャーやターボで300馬力に対応するほどあるらしいし)、スムースなんです。
しかし、カローラの燃費とRSのそれを比較しても無意味だとスピードメーターを見ていて感じました。やっぱり踏んじゃっているよ、最近。カローラで飛ばしているつもりでも、RSだと流しているのに近いし、これまで何度も二つを比較して来たけれど、それは乗り方や性能が近かったから出来た訳で、もう共通項がなくなりつつあります。今メーター読みで燃費が10km/リッターを割りつつありますが、それがどの程度回復するのか、ちょっと疑問に思いました。低いギアでひっぱるにも、結構違和感があるんですよね。良く添加剤でエンジンの性能があがっても、レスポンスが良くなったエンジンで経済走行するのはストレスが溜まり、結局燃費は同じというケースが多いのですが、まったくその通りだと思いました。添加剤で性能が上がったと思った人は大抵燃費は変わらなかったと言い、性能の変化は分からないと言った人は燃費では良くなっているようだ、と言うのは、同じ事なんじゃないですかね。
トーコンキャンセラー
昔々、まだ4WS(四輪操舵)が未来の技術と言われていた頃ですが、各社が色々な仕掛けを作って、そのメリットを主張していました。例えばある物は低速だと逆操舵で回転半径を小さく、高速では順操舵で平行移動が可能とかね。日産で言えばハイキャスなんか割と成功した事例でしょう。名前はほぼ同じでもセミトレーリングアーム式とマルチリンクでは使える場所が違うので、制御とかも違います。日常での安定性とか使いやすさは措いて置いて、スポーツ走行ではどんなメリットがあったのでしょうか。それは最終的にはタイヤの限界を上げる為にあったのではないでしょうか。もちろん初期回頭性の良さとか、運転のしやすさもあるでしょうが、どの事も最終的にはタイヤの性能を使い切るという事に行き着きます。つまりさっさと定常円旋回に入って、前後の車輪が最大限のCFを発生するのが目的ではないでしょうか。
ところが、この仕組みはチューニングする人は結構殺してしまっていますね、聞く所によれば。目的によって違うのかも知れませんが、まず簡単に外すメリットは重量減、パワーロス減なんかだと思います。しかしメーカーがわざわざ付けた位だから、それなりに効果はあると思うのですが、もっと本質的な部分で嫌われているのでしょうか。可能性として一つは制御が甘いとか、スポーツ走行に合わないというのがあるでしょう。はっきりとオーバーステアに持ち込みたい時なんかには、逆にキャンセルする方向で制御しているでしょうから、ドリフトなんかしないようになっているかも知れないし、その見込み違いが起こる可能性もあります。ここら辺はABSと同じです。
もう一つはメーカーの発想の根本が間違っていた可能性です。確かに80年代まではこういった電子制御機器の発達で性能が上がると信じられていたんですが、同時期の海外のメーカーはすっごい地道な方法で同様の問題に対処していました。例えばポルシェなんかは、あんまり凝った仕組みは使っていないそうです。で、高速安定性を改良する為にやっていたのがボディー補強、サスの見直し、軽量化、エアロ関係らしいです。911シリーズをいじっているメーカーが、それほど熱心に改良していたのか?という疑問は常にあるんですが、日本のメーカーがそこら辺に気付いたのは、90年代がまるまる過ぎた事じゃないでしょうか。いや、一部にはもっと早くからそういう事に気がついた車もあったと思いますよ。例えばBNR32なんかは911計画(でしたっけ?)だったか、ボディー方面での補強をかなり進めていましたが、同時にやっぱり電子制御は捨てていませんでした。でも開発ドライバーは極力ハイキャスを意識させないように気を遣ったと言っていますし、そのGT−Rにしても高速性能はポルシェを凌駕しても、サーキットタイムなんかでは案外同じだったりしてますしねえ。どっちが基幹技術か、言うまでもない事でしょう。
で、マツダの4WS機構なんですが、一応かなりしっかりした物もあるんですが、簡易的にブッシュのたわみで受動的に制御する仕組みを作っていました。サス形式やそのコントロールの度合いで違いがある訳ですが、有名なのはRX−7のトーコントロールシステムで、ピロボールとブッシュとの幾何学的配置で、理論的には理想的な制御をしていたみたいです。が、これも例に漏れずキャンセルする人が多いみたいです。やっぱり足回りにグニュグニュした物を入れてしまうと、追い込んだ時にインフォメーションが不足するとかあるんでしょうね。
RSに関しては、そこまで凝ったシステムは使われていませんが、それでもサスの動きでトーが変わる動きを促進させるような物を感じる事がありますし、それを補正するパーツも売られています。その一つがリアアッパーアーム付け根のブッシュの硬度を上げてやるトーコンキャンセラーです。この種のパーツの発売元が言っている事ですが、あそこは色々なサスの矛盾を受け止める為にゴムを使っている為、ストレスが掛かりやすいので、放って置いても痛むそうです。実際私のRSでも、そのブッシュは悪い見本写真同様に抜け出していました。こいつが最近小回りで鳴く元凶かなあ?一応ここを強化すると、ある程度トー変化が収まるそうです。またダブルウィッシュボーンサスはラジコンなんかだとキャンバー変化がないのがウリ見たいに書かれていて、そう信じていましたが、RSなど多くの実車ではロアアームの方が長いので、ストロークするとキャンバーがつきます。同じアーム長ならストラットより少ないだろうけれど、キャンバーがつかないとロールして踏ん張れませんからねえ。その動きに関してもゆがみは少ない方がいいかと思います。
でも否定的に見ればそうなんですが、マツダの設計者が怠慢でそういう構造にしたとは思えませんし、もっと深い考えがあったのでは、という事も同時に感じます。その一つがリアのアーム取り付け剛性の弱さです。どの道アームの支持はブッシュで挟んでいるので、歪みます。RX−7のようにラテラルリンクでゆがみを取っていない以上、あまり制御されていないゆがみは起こります。だったらハブ側の取り付け剛性もむやみに上げない方がいいと判断されたのでは?とも思うし、フレーム剛性にも不思議な点はあります。
RSは1600後期からリアパフォーマンスバーがつきました。一説ではあるショップが作った物が先にあったので、メーカーが真似たのでは?という疑惑も広がったそうです。でも本当にそうでしょうか?むしろそのパーはメーカー側のリークなり、偶然ながら一致した本来のパーツなんじゃないでしょうか。メーカーがあの部分をつなげば剛性があがる事を気がつかなかったとは考えづらい。もし剛性を上げる事が重要だと認識していれば、当然いじってくる箇所でしょう。それを放置したのは、むしろリア回りの剛性を意図的に下げた?という疑問もわいてきます。なんだよー、ただ初期型のリアが弱かったという当然の話をしているだけだろ、と言われそうですが、NA8では、ブレースバーも装着されています。思うにキャビン剛性が低い状態で、サブフレームを強化する事は、むしろ危険だと考えてマツダはあそこを弱く作ったんじゃないでしょうか。ブレースバーを付ける事で剛性があがったので、サブフレームの補強や取り付け剛性もますます上げられたのでは?と思います。そして、更に言えば、この剛性アップでリアにトラクションが掛けられるからこそ、NA8になってよりレスポンスがいいトルセンLSDの採用に踏み切れた、という見方も出来ます。あそこら辺の変更は一つ一つ思いつきでやられた物ではなくて、一通りの予定された改良では?というのが私の好意的に見た予想です。逆に言えばNA6のノーマルの足に機械式をただ突っ込んでいいのか?という事にもなります。
最初の話、つまり小賢しいカラクリと捻りがない機械という話で言えば、カラクリの方はある意味ドライバーを信用していない仕組みだと思います。でも捻りがない機械は乗りこなすのに工夫が要ります。「両方使えばもっといい機械になるのでは、ちょうどR32のように」、という指摘は、だから水と油を混ぜるような物です。カラクリは常に機械と人との間に挟まるクッションで、ある部分では性能ダウンでしかありません。もちろん同じシャーシでカラクリありなしを比較すれば、カラクリのある方が性能が高いんですが、それがドライバーにプラスになるか、そこが問題でしょう。32Rが凄い所はそのエンジンパワーでもなく、またシャーシ剛性でもなく、単なる4駆システムでもなく、総合的な味付けというか、方向性を出せた事なんじゃないでしょうか。単純にパワーなら2Jでも出るだろうし、4駆ならGTOだって四駆だし。
あと不思議なのは、なんでポルシェは911シリーズなんですかね?日本だと捨て値同然で売られている924/944なんか、よくよく見ると理想的なレイアウトとパワートレインを持ち、本格的なスポーツカーだと思います。特にS2と呼ばれるターボモデルは3リッターで250HPを絞り出しているのに、89年式で100万以下で買えます。重量も1.3tとこの種の車としては標準的な重量だし、バランスもわざわざトランスアクセルを採用しています。これはすごい事です。でも944は一部にファンがいるものの、絶対的には理解されていない、偽ポルシェというレッテルを貼られています。やっぱりエンジンがダメだったんですかね。不思議な話なんですが、私が初めてRSに乗った時に、そのステアリングやシートの無骨さは944を思い起こさせました。別に以前944を所有していた訳じゃないんですが。で、その944の前身の924はマツダと深い関係があるそうです。その話はまたいずれ。
見えない物
タイヤのローテーションってどうやるか、面白い話が出ていました。一つは後輪と前輪をそっくり交換する方法で、運転席側は運転席側、助手席側は同じ同士で交換します。これとは別に、たすきがけのように、後輪の助手席側を運転席前に、運転席後ろのを助手席前とそれぞれ交換する方法もあります。前後を換えるとしたら多分この二通りしかないでしょう。どっちが正しいのか?もしおとなしく走るだけなら、前後平行に換えていいし、更に言えばどうでもいい、とも言えます。でも飛ばして走るなら多分たすきがけなんじゃないか?と思います。理由は内部カーカスのなじみの問題ですが、もし流して乗るなら、回転方向は同じ方が摩耗が同じ傾向にある同一回転で使うべきだと思います。ではなぜ逆にするのか。それは前輪はトラクションを掛けないので、駆動摩擦によるなじみに関してはさほど問題がないと思うからです。しかし一方で前輪はブレーキ時に逆方向に強い力を受けます。だからなじみとしてはむしろ回転と逆方向にアタリが出ているのではないか?と思う訳です。リアもブレーキが掛かりますが、そんなのフロントに較べればたいした事ありません。まあ極論ですが、ローテーションに関しては要不要も含めて考える事が多いです。また同様にベルト類なんかも方向性というかがあるそうです。でもこういった物は見えませんから、気にしない人は気にしないでしょう。そういった死角にも気を遣うのが、本当なんでは?と思います。あと肉眼で見えないわずかなゆがみやクリアランスなど、車というのは案外見えない物が多いですね。
JAのCMで
JAの自動車共済かなにかの宣伝で、仲間ユキエがNA型のロードスターに乗って宣伝していた。最初サイドとかリアとかが写っていて、もしかしてこれは?と思ったら、なんと同じ色の同じ車、なんか嬉しくなってしまいました。でも考えてみればRSは現行型があるのに、なんで旧型なんでしょう。もう初期型はクラシックカーの類になって、比較的ニュートラルなイメージがあって使われたんでしょうか。もっとも町ではまだまだ多くのNAが走っていますけど。
宣伝では仲間ゆきえが、車のボンネットで日向ぼっこした猫と壮絶なバトルをしたら、その猫がいつも道を譲っているおばあさんの猫だった、という割合意味不明だけどほんわかした作品で、長いです。私の車はどうせボンネットに猫が乗らなくても汚いので、気になりませんが、猫は元々RSのボンネットはお好きではないようにも思います。猫が車に乗るのは、それが温かいからで、それには濃色系である必要があるし、比熱が大きく熱容量も大きい必要があります。また高い所から見下ろすのも好きみたいです。RSは残念ながら低いし、色も明るいし、アルミボンネットは放熱が大きいので、どっちかと言うとアルトとか人の家の濃色車に乗るし、車である必要も最近はないみたいです。
スプリング
最近は本物の車高調整式のサスも安く手に入るようになって、馬鹿なダウンサスだけとかスプリングカットをする必要はなくなったみたいですが、それでも最終的なサスのパーツはスプリングになります。ショックもピンキリでありますが、なんとなれば10万キロ走ったぬけたショックでも走れはしますし、コアなパーツはスプリングでしょう。でもあんまりスプリングにこだわった話を聞かないように思うのは私だけでしょうか。社外スプリングなんて値段も横並びだし、性能もレート位しか違わないのかな?と思ってしまいます。でも一方で以前から「スプリングのここの機能はどうなっているんだ?」という物もあったし、最近分かった事などつらつらと書いておきます。
まずスプリングにはレートが書かれていますが、アレはどこからどこまでがそのレート、というのがあります。スプリング鋼材はイニシャルトルクが多少掛かっていないと曲がらない(ビギニングが渋い)事は知られていますが、有効ストローク内でもレート変化はあります。いわゆるバリアブルレートじゃなくて、直巻きと呼ばれる奴でもそうです。また一言言わせてもらえば、RS用のスプリングで「純正形状」と「直巻き」を区別しているような書き方を時々見かけますが、RSはノーマルでリニアレートで寸胴です。樽型じゃありません。ストラット式でショックが受ける力点が大きく変化してしまうタイプや、乗り心地を重視してバリバルブレートにしている物はスプリング形状がノーマルは良く考えられた形をしているのですが、RSは違います。書き手の不勉強だよね。このレートはつまりビギニングから線間密着してしまうまで(もしくはショックのストロークが終わりバンプタッチするまで)一定ではないけれど、一定であって欲しいという物です。つまり太い鋼線や、細い巻き径で作ったスプリングは先に線間密着でレートが上がってしまう訳です。だから鋼材の性能が非常に重要になってきます。
スプリング鋼材は一応JIS規格があって、その中から選んでいるはずですが、メーカー各社その上を行く性能を出す工夫をしていて、例えばRSRなんかのTi2000はチタンを配合して水素脆性を押さえ、より弾性を出していますし、スイフトの物も同様の傾向にあります。つまりいい鋼材ほど軽く出来るしヘタリも少ないし、レート変化を押さえられるんだと思います。弱い素材で高レート細巻きのスプリングも熱処理なんかで出来ない事はないそうですが、その場合鋼材がへたったり、折れたりする恐れがあります。
じゃあ次に巻き方ですが、RSは純正から直巻きなので、樽巻きは考慮しません。でも樽巻きだとバリバブルレートにしつつも密着も遅く、質量も取れるので、安い鋼材でも耐久性があり、ストロークも取れる、部分的なヘタリもない、理想的な形状だと思います。直巻きはリニアレートとバリバルブレートに別れて、スプリングの巻き数が弱くレートが低い部分と高い部分が混在するバリバブルな物はレートが変わります。でもリニアレートでも永遠に同じレートじゃありません。どっちがいいのか良く疑問に思うと思いますが、理想は一部の車高調整式に採用されるヘルパースプリングを使ったリニアレートでしょう。リニアレートのメリットは、レートの変化による操案性への影響が少ない事と、部分的な過労が少ない事です。レート変化に関しては、普通そのスプリングを使い続ける場合には大した問題になるとは思えませんが、レースなんかだとバリアブルはセッティングが分からなくなるとか言って嫌われます。またスプリングの荷重の受け方を考えた時に上質のダンピングはスムースに荷重を鋼材の変形として受け止め、スムースに戻してやる(車だとショックで減衰しますが)事です。バリアブルだとまず低いレートの部分が先に凹んで、次に高レートの部分が曲がるので、どうしてもスムースさや全体で受ける感じが悪いそうです。一種のレート変化の問題と言ってもいいでしょうが、全体的な変形で受け止めた方が部分的な変形で受け止めるより安定しているのは感覚的に分かります。
逆にバリバルブレートのメリットは乗り心地とロール性能、そして自由長を稼げる事でしょう。ロールを押さえる為に硬いスプリングにすると、乗り心地自体が犠牲になります。そこである程度のGでは緩やかにショック吸収して、必要な所では高い剛性を持つというメリットがあります。また高レートスプリングにすると、単純に同じ自由長なら車高が上がってしまいます。1Gでの沈み込みが少ないからです。そこで短いスプリングにすると、今度はストロークが不足します。だから1Gちょっとまでは普通のレートのスプリングにして、後で高いレートのスプリングが働くようにすれば、遊ばないけれど高レートスプリングが出来る訳です。
こう考えるとスプリング自体の性能としてはリニアレートがいいけれど、実用性能としてはバリアブルの方がいい、って事になります。それを突き詰めるとヘルパーで伸ばしてやれば一番いいのでは?というのが私の考えです。でもショック側が対応していないといけないし、ヘルパー式には疑問もあります。ヘルパーというのは結局リニアレートのスプリングを二つショックに入れておいて、1Gでは完全にヘルパーが潰れているように出来ています。で、インリフトとかストロークが伸び側で必要な時だけヘルパーが伸びるらしいのですが、なんかバリバルブレートとの違いが見いだせません。というかはっきり言ってヘルパーが通常潰れているというのに問題を感じます。多くのメーカーのヘルパースプリングは柔い線間密着してもいびつにならない角断面のスプリングです。レート的にはメインスプリングのプリロードゼロとなんとか釣り合うようなヘボイ物でしょう。これがイン側が浮いた時にストロークを稼げるほど伸びるのか疑問です。というのはメインスプリングに合わせて伸び側減衰が出来ているショックは、ヘルパーには強すぎる減衰で、まずタイヤが伸びないのでは?と思われます。ホント車検の時だけショックが遊ばないだけのような。むしろヘルパーにも積極的なレートが採用されるべきだと思います。ただヘルパーのレートを上げるとプリロードが掛かりすぎる恐れがあるでしょうが。
スプリングの話をちょっと離れますが、私はヘルパースプリング付きショックに関して、ある間違った認識をしていました。物の写真だといつもヘルパーとメイン両方伸びた状態で写っていますよね。あれが1Gでヘルパーが潰れている写真を見ない。それに上で述べた疑問があったので、てっきりあの構造は、メインとヘルパーの間のワッシャーみたいのは、実は二重構造で、メイン側には動くけれど、ヘルパー側には動かない、ワンウェイフリー構造だと思っていました。それならメインスプリングとヘルパースプリングの役割分けが確実に出来ます。縮み側ではメインはヘルパーではなくてワッシャーを押す形で働くのでヘルパーが多少高レートでも密着に気を遣う必要もないし、プリロードもワンウェイの最終地点を換える事でメインのみ、ヘルパーのみで調整が出来ます。またヘルパー側のヘタリも減るだろうし、伸びる時には充分にストロークを確保出来ます。そう思っていたんですが、アレは単純に二つのバネを一つのショックに突っ込んだだけなんですね。またこの構造を使い出したのは、ツーリングカーレースでインフィルとを押さえる為だったらしいのですが、フォーミュラーカーでは採用されなかったのかな?と疑問を持ちました。私の予想ですが、ハコのレースはダウンフォースを充分に出せないから、カーブや最高速でタイヤが浮きやすかったんじゃないですかね。フォーミュラーカーは元々サスアームが長くてストロークも一定のレートで結構取れるし、ウィングの類が充実しています。逆にハコ物では空力パーツはレギュレーションで制限制限されて、伸び側不足に悩んでいたと思います。
じゃあ現実問題としてどういうサスを選ぶかですが、納得出来る物は高いヘルパー付きショックは落ちます。ま、大体RSにそれほど高速性能はありませんし。またレートに関しても、車重が軽いので、それほど高レートで押しつける必要もないから、レートはさほど必要としないでしょう。そうなるとプリロード不足で伸びないとか、サスが遊ぶという心配も少ないように思います。そうなると普通の直巻きリニアレートの中から高性能なタイプを選べば間違いないように思います。リニアレートでももちろんいいんですが、あっちの方がむしろ高レートを使いたい時に仕掛けに思えます。あとバリバルブレートは巻きが密に見えるのはなぜでしょう。なんか密着しやすいような。鋼材を低いレート側重視で作っているので、高レートにするのに仕掛けが必要なんでしょうか。
メーカーとしてはバリアブルではアイバッハ、リニアではスイフトとRSRがありますね。以前乗ったNA8は確かアイバッハかどこかだと思ったんですが、乗り心地はすごい良かったです。
ところでRSのビルシュタインショックですが、フロント側のスプリングはレートは同じです。減衰が伸び側だけ2倍近いので、むしろ乗りづらいと思われます(ノーマルがバランス取れていた場合)。変に硬いはずです。リアはノーマル1.6kg位の所を2kg位まで上げています。ショックの特性はフロントと同じ感じです。よく純正ビルはストロークが足りないという話を聞きますが、一応ノーマルより車高的な物が同じならストロークで掛けられる加重は大きいはずです。あと不思議なのはビルシュタインは高圧ガスだから、乗り心地が硬い、という説明ですね。私はバイクのフロントフォーク的な加圧を考えていたので、ああそういう事もあるかな?と考えていたんですが、よく見ると高圧ガスは密閉した容積一定のオイルルームにあるので、ガス圧によるショックの飛び出しというのは原理的にあり得ません。あるとしたら減衰時に加圧されるガスが反発してオイルを「押し戻す」働きですが、それを「乗り心地が悪い」理由にしていいのかな?と感じました。まあタイムラグがあってショックが押し戻されるのは問題ですが、結局ちゃんと減衰している、って事じゃないんですかね。減衰を下げれば柔らかくもなるように感じました。そして実際不思議な事に、純正ビルの減衰はノーマルより伸び側では弱いです。同じレートだけど、ビルシュタインの方が沈みやすく伸びづらいのがフロントです。リアはレートも上がっているから、同じ位沈んで、若干伸びづらいと言った感じだと思いますが。
追記:そうそうRSで特に問題になるリア側ストロークに関わる話なんですが、なんでレートを上げたスプリングを組むのに、車高調整まで必要かと言うと、単一レートスプリングを同じショックに組むと、プリロードが多少変わっても車高自体は上がってしまいます。そりゃスプリングが縮む距離が減るから、車高が上がる。その分はスプリングを短くする事でつじつまを合わせるけれど、それだとスプリングが遊んでしまう。で、一つはショックをショートストロークにするか、ケースを短くするか、なんですが、どっちも正解からは遠いみたいです。ショートストロークの問題は結局ストロークが減るという事への問題ですね。インリフトしやすくなりますし、乗り心地も悪いらしい。じゃあケースが短い奴はどうなのか?私もビルシュタインがなぜあんなんい相性悪いのか調べていて、単筒式高圧ガスショックは全長が短く出来ないから、と知って「ああ、そういう事だったのか!」と分かりました。ダメなんですよ、タダでさえ余裕がない所に長いショックを突っ込んじゃ。ただ逆にショックは内部でオイル抵抗で伸び側を減衰しているので、下手に容量を減らすと耐久性や性能が落ちます。理想は大容量。しかしショックを太くするにも限度があります。だから本当にRSのリアだけを考えると、リザーバータンクを付けてオイルタンク別体にして、放熱までさせてやると非常によろしい。でもそういう物を私は見た事ありませんが。
RSのリアショックがヘタリ安いのは、その容量にあります。つるされているショックを見比べてみると、RSのショックがいかに小さいか驚くと思います。ストラット式の奴はアームとしての機能があるので太くて大きいのは仕方ないとしても、RSのそれは軽自動車並のサイズでしかありません。あれじゃあヘタルのも仕方ないでしょう。FRだとリアも使うし。話を戻してリアをストロークも稼いで車高も落とさず、ショック容量も稼ぐには、もうバネで対応するのは間違いらしいです。それにはむしろアッパーマウントを調整出来るようにして、そっちでいじれ、そう言われています。ま、確かにストロークの問題は他に調整が必要ですが、ショートストロークよりいいし、ショック容量は減らさないで対応出来ます。幸いRSのNB型からは、非調整式ながら、いいアッパーがついているので、あれを使うのが正しいかと。
ポルシェとマツダ
以前911とロードスターについてつまらない話をしましたが、今度は親会社であるポルシェとマツダの話です。といっても最近924/944系がなぜチューニングベースとして認められていないのか?という疑問を持ってとあるサイトを調べていて、確かにそうだよな、と勉強した事のまとめ直しですが。944の所でマツダと関係があると書きましたが(正確には924でしたが)、924をスタディーして出来た、またポルシェと縁が深いマツダのマシンはなんでしょう。まあ格好を見ればああそうか、と思うでしょうが、SA22です。確かに似てますね、言われてみれば。そして皮肉な事に、この車のウリであるロータリーエンジンのパテント元である会社は、その時ポルシェに経営される一部門になっていました。ちょっと会社の合併が多いのでどこがどう、と言えないのですが、NSU社というアウディも含められたりする所は、ロータリの理屈を造りはしましたが、結局市販は出来なくて、マツダだけが実用化してしまった、ある意味奇跡のようなマシンです。そしてこの先、日本車が高性能化してポルシェに追いつき追い越す事も暗示していたように思います。というかポルシェというメーカーの様々な矛盾や弱さもあるんでしょうけどね。
ポルシェは確かにスポーツカーメーカーでしたが、例えばMGのような安い物は作れないし、技術パテントで飯を食っていた、どっちかと言うと技研のような所だったそうです。安いコンポーネントがなかった。911は確かに良かったが、系列がつくるVWカルマンギアとかゴルフとかの路線との間がありすぎた。一応912とか作りましたが。次に作ったのが914ですが、まあまあ良かったけれど排ガス規制の影響とアウディのエンジンという事で、それほど熱狂的に受け入れられた訳ではなかった。で、飛んで924系に飛ぶのですが、これは良かったみたいです。というかベースとして考えれば911よりずっとすぐれていたみたい。また同時期に928というGTサルーン方向にも開発しましたが、あれはスポーツカーじゃなかった。で、928のV8の片バンクをモジュール式に切り離して924に積んだのが944で、二つのあいのこ状態らしいです。これにターボを積むだの積まないだの色々やっていたんですが、今度はFC3S(先代RX7)がまたしてもバッティングしました。確かに似てるかも。で、今度は944S3として対抗馬を開発、968として市販されたそうです。
968は確かに素晴らしかったけれど、この93年頃は911が993系にモデルチェンジしています。最後の空冷911ですね。これは案外売れたそうです。エンジンは964の焼き直しだったそうですけどね。そしてもう一つの目玉がボクスターです。私は何度かボクスターという名前を耳にし、また雑誌で見たはずですが、全然覚えていません。なんか911となにが違うの?という顔だし、カリスマ性がないです。でも徳大寺辺りは911よりボクスターの方がずっとまともだ、と言い切っていますし、964の頃から始まったカレラ4が主体となった911はしょうことなしにしょった過去のレイアウトに無理矢理最新のテクノロジーを積み込んで馬鹿っぱやくしただけで、なんの感動もない、速いだけ、とまで言っています。値段を考えてもボクスターが有利なのは間違いないでしょう。で、ボクスターに押される形で968はオミットされてしまいました。
さて、そのボクスターの出自ですが、この情報もとのサイトは面白い車をターゲットに挙げています。考えてください、これまで再三ポルシェをコケにした東洋の会社、マツダですよ。そう、ユーノスロードスターのヒットがポルシェにボクスターを作らせたんだそうです。言っておきますが、この説は別にロードスター好きのロードスター乗りが書いている話じゃなくて、四気筒ポルシェの歴史を追っている人の考えですよ。ロードスターとボクスターに共通するのはオープンぐらいじゃないか?と思われるでしょうし、それだったらポルシェもマツダもカブリオレは昔から作っていた、と思うでしょう。片や1.6のFR、片や911に積まれるフラット6のミッドシップレイアウト、全然共通項が見えません。でもその人の話だと、ポルシェが986としてプロトタイプを作った時にはボクスターはライトウェイトスポーツの予定だったそうです。というのはバブル期にスポーツカーは段々大きく重くハイパワーになって、逆に市場からは異端として嫌われるようになってきました。ロードスターが出た時の衝撃がいかに大きかったかは、その販売台数を見れば分かります。どのメーカーもロードスターのヒットを受けて、それぞれが対向車を出した、そう云われています。ただポルシェには適当な軽いエンジンがなかったか、もしフラット6を軽すぎる車両に積むと危険だったのか、はたまた生産性の問題や高速クルーザーの必要性からか、ボクスターはあんなに魅力がない、単なる911顔になっちゃいましたけどね。
ヒット車は当然それ相応のインパクトを周囲に与え、当然模倣なり対向なりのライバルを生む訳ですが、このマツダとポルシェという二つの完全に関係ない会社が、洋の東西を分けて対向していたのは面白い事です。マツダ贔屓な見方をすれば、924の頃は辛うじてその性能の優位性をいち早く認めて追随する程度だったマツダが、ロータリー技術を深めて944の頃には肩を並べ、ロードスターの頃にはコンセプト的にはポルシェの先を行ってしまったのです(先とか後というより、理想を見つけたというのが正しいだろうが)。またFDに関してはもうポルシェの先にあると言ってもいいでしょう。日産のGT−Rがポルシェをターゲットにしたのは、所詮時代遅れの911を相手にタイム的に勝とうと考えていた、それも89年前後の話と考えると、マツダの理念は日産よりずっと高いとさえ言えます。
しかし皮肉な事に、そのマツダはフォードに吸収されてしまいます。ロードスターから「売れる車が正しい車だ」という事を学んだポルシェが、節操ない911シリーズをまだ作って売っている中、ドイツではポルシェと比較さえされないフォードにマツダが吸収されたのは、まさに皮肉としか言いようがありません。というか、あれだけヒット作があるマツダが簡単にコケたのが今一納得出来ません。ポルシェなんて911以来ろくなヒットがないのに、バントと振り逃げと盗塁と犠牲打でしつこく生き残ったのと対照的です。トップレベルではルマンでワークスが戦った同士が、皮肉な結末を迎えました。多分マツダの中の理念がない首脳陣が、家業じゃない部門で焦げ付きを起こしたのが原因じゃないかな?と予想しますが。マルチチャンネル販売の失敗なんて、実質それほど打撃じゃなかったでしょ?また964より後のポルシェを買う人も、ある意味信じられません。よっぽどスピード狂で、ポルシェじゃないとダメだった、という人は抜かしますが、993のカレラ4のATに乗っている奴なんて、なんの理念があるんだ?と思ってしまいます。そう考えるとフォードって凄いなあ、ロクな弾がないのに潰れてないや。またスバルも独自の会社でこだわりがある、って人がいますが、こうして見るとスバルは所詮ポルシェのコピーと言えばコピーのままです。インプレッサなんかはまだ独自の世界かな?と思わせる物がありますが、最近レガシーが鼻につきます。ここら辺だと土建屋御用達の下品な車になりつつあるし、L型エンジンの設計者が言ってますが「スポーツカーじゃない水平対向エンジンは無駄」とも言っています。決して悪い車だと思いはしないけれど、コンセプトが中途半端で最適化していない、そんな物を感じます。あそこもビルシュタインを使ったり、ポルシェデザインをウリにしていますが、マツダとは方向性が違うなあ、と感じます。
点火時期調整
上でMBTの理屈を考えて、一時期進め過ぎたと思っていたクラセンを見たら、なぜか最初にいじった位置にしてあった。つまり前のオーナーを信じるならハイオク指定の位置なんだけど、一時期もっと進めていたような気がするので、なんで遅らせたのか思い出せない。もしかしたらプラグ加工をしてノックが出やすくなったので、戻したのかも知れないし、プラグコードの故障が分かる前に戻していたのかも知れない。まあこの位置で低速でもMBTを超えるほど進んでいる可能性は少ないから、進めてみる。ここの調整は微妙なんだけど、タイミングライトがないと適当になる。でも経験的に思いっきり進めても、少なくとも普通の回転では平気と分かっているので、少しずつ進めるのは平気だろう。ミリ単位で進めてみた。
かすかにアイドリングに補正が入ったかな?と思ったけれど、多少進めた程度なら全く問題なかった。じゃあもっと進めてみると、これが良かったんですよ。数値にしてしまうとほんの微妙な違いかも知れない。でも、本当に微妙に感じていたRSとの齟齬というか、わだかまりが、スッと消えるような感じ。パーシャルもいいんだけれど、レッド寸前でもいい音だして回るように感じる。これまでは遅すぎのかも知れない。B6はもともと回して乗っているエンジンだから、MBTがトレースノックのずっと手前に来ている領域なんて気にならないのかも知れない。まだ街乗りでの使い勝手は不明だけど、進めた方が良かった。最近涼しいし、それもあるのかも。
ところでオイルの事だが、消費はほとんど変化なしだけど、濁りが結構速く出てきた。洗浄だけが問題とも思えない。それから油圧低下も行くところまで落ちた感じで、走ったら1.2kg/850rpm程度だ。他でも言われているけれど、モービル1のRMは案外粘度指数が低いのではないか?という気がする。NNLを入れてしまったので、おいそれと交換出来ないし、フィーリング自体に問題はないからいいのだけれど、例えば後1万キロ使えるかと言えばちょっと怖い。またカムのアタリのテカリも、スノコの頃より、いささか心許ない。スノコは油膜が厚い感じで、その油膜のテカリもあったんだろうけれど、カム山が本当にテラテラしていた。モービルに換えてから、なんかそういう面が見えない。もっともエンジン停止した後、フリクションの低減か、ちょっとカムが回りすぎて、ベースサークル面ばかりが見えるから、それもあるかも知れない。ベースサークルは面圧がそれほど掛からないはずなので、元々削れないと言えば削れないし。ただ9万キロ走ったB6には、やや不安が多く感じる。STP青缶でも入れて凌ぐか?
ゴミ捨て
今日は古いスキー板を捨てに、地元の市の清掃処理場まで言ってきました。前住んでいた所は、粗大ゴミは酒屋でシールを買って、貼って出すと、月一で来る清掃車で持っていってくれたんですけど、そこら辺不便です。更に言えばスキー板も特に捨てる必要はないと思ったけれど、もういいや。ゴミ焼却場はその性質からかなり辺鄙な所にあって、車で行かないといけません。私は職員に金払って渡すだけの、簡単な仕組みを予想していたんですが、結構凝った仕組みだったので書いておきます。
その清掃センターに行くと、入り口ゲートでなぜか一端重量を計測されて、アルミ板の凝った入構証をもらいます。で、ペイントされた指示通り走るんですが、これが結構長いし、曲がった道です。お金掛けてなにやってんだ?と言うぐらい楽しいコースです。しばらく走ると巨大な倉庫に導かれて、そこで何番ゲートにバックで入れてください、と指定されます。オイオイ、スキー板捨てるのにそんな凝った事するのか?と思っていくと、ゲートでエンジンも安全の為止めさせられます。安全?そのゲートの後ろには巨大な縦穴(深さ20m幅40m位かな?)があって、その中にはゴミらしき物が見えます。あとクレーンとかプレスらしきものも見えて、ここが処分場見たいです。で、そこにスキー板を捨ててください、と言われるんですが、そんな深い底に物を捨てるのは、非日常的な感慨があります。ありがとう、スキー板、と捨てて、待っている職員に「これで終わりですが?」と言うと、「あれ、それだけですか?だったら受け取って捨てれば良かったですね。」と言われました。もっとなんか捨てると思われていた見たいです。でもRSには他に大した物つめないんですけど。え、車が粗大ゴミ?ほっとけ。
で、これまた迷路のような道を通って換えると、また出る所で計測されます。そこでやっと分かったんですが、ここでは入構時の重量と出構時の重量差から、10kgいくらで値段を決めていたんですね。アバウトそうで賢いかも。また重量はドライバー込みで計られて、私にも見えるので、面白いです。NA6は乾燥重量が940kg程度ですが、装備重量(ウェット)だとガソリンだのエンジンオイル、冷却水などなどが入って普通1tを軽く超えます。少なくともカタログスペック通り、って事は間違ってもない。で、ガソリンが多分15L位入っている状態で1040kg(ドライバー込み)でした。あと助手席と幌とエアコンを外せば、運転状態で1t切れますね。ロードスターでも最近のはドライで1tを超えているので、初期型がいかに軽いかという事を再確認しました。みなさんも軽量化してどれくらい軽くなったか計りたかったら、9課の駐車場かゴミ処理センターに行けば計ってくれますよ。
自動車界とジャーナリズム
あなたが読む自動車情報誌があったら、その裏表紙を見て欲しい。そこに何が書いてあるか。普通は新車の広告だろう。あの広告費は数千万とも言わているが、正確な所は知らない。まさかベンツとミラの値段が同じって事はないだろうが、かなり高いのは間違いない。そして有象無象が集まった雑誌の収入は、相当広告に頼っている。それは他の業界でも似たような物かも知れないが、雑誌の編集は広告主の意向をかなり意識しているのは知っておいた方がいいだろう。その雑誌を単なる暇つぶしで読むのなら、情報の正確性を求めないなら、それでもいい。でも少なくとも、悪い点についてはライターは書けないし、ある意味それが社会通念上の礼儀でもある。一見批評的に書いていても、その実は本当に痛い所は突かないように気を遣っている。記事に真実味を持たせる為に批判3割、誉め7割で、どの車も評価してある。手放しで10割誉める車はないにしても、8割ぐらいけなしたい車ぐらいあって良さそうだが。
でも本当の所がどのぐらいなのかな?というのを最近あるライターの本で読んだ。本当に言いたい事を(それが正しいかどうか別として)言う為には、経済的に独立しないといけない。だから業界だと一部悪口も言われるが、マガジンXなどは、新車広告が一つもない。中も車と関係ない広告ばかりだが、あれはれっきとした自動車誌である。私も「ザ・総括」は時々楽しんで読む。知っている人もいるだろうが、あの誌面では新車を業界内部の人間(某プロジェクトリーダーとか某デザイナーとか)が熱く切っているので、それはそれで楽しい。中にはそういう偉そうな事言うやつは、どんないい車作っているか公表できないだろ!とおっしゃる人もいるが、批評なんてのは言いたい放題だから面白い訳で、みんなイエスキリストに「お前が恥じる事がなければ、この女を打ちなさい」と言われて帰っちゃった、というのでは面白くないのである。それに批評する方にしても、決して誰それが悪いと行っている訳じゃなくて、今や自動車が高度なチームワークとお偉いサンの意向とか販売側の要求があって作られている事は承知している。ただ売れる車が正しいと思っている訳じゃないから言っている訳で、事実あそこで誉められて当たった車は少ないと言われている。でも技術者サイドのガス抜きなんじゃないか?と思えるので良し。
むしろ悪質なのが、日本カーオブザイヤーなんかの選考委員に選ばれる「先生」で、彼らの悪行は色々と言われている。例えば彼らはメーカーの広報との接待取材で、ほとんどメーカー側の用意した資料を丸出しの記事を書いているとか、実際のメカ的な物や運転技術が伴っていないとかである。96,7年版の別冊宝島なんかだと、その内情が暴かれている。まあ広報車を潰したなんて話は、割合私も好きなライターでもやっている事なので、余程の高性能車を潰したのは仕方ないと言えば仕方ないかも知れない。でもそりゃサーキットでの話で、公道で事故するのは、なんか間違っているだろう。まあジャーナリズムが腐って、メーカー広報の操り人形になって、批評的な提案が出来ないのは分かった。そして、その事はとりもなおさずメーカーの内部の問題でもあるのだ。大体日夜研究しているメーカーで、外部の人間がちょこっと乗っただけで分かる凡ミスなり失敗を見逃すはずがない。そして多くのケースで、プロジェクトをまとめる人の能力不足と、他の部門(例えば営業とか広報とか)からの無用な介入が大きいという話も聞く。結局第二次大戦時に将校からむちゃくちゃな要求を突きつけられて、出来ない戦闘機を作っていた頃と現場は変わっていないのかも知れない。
その本で新たに発見したのが、どのライターがメーカーのお先棒担ぎか?という話で、案の定M本氏の名前が挙がっていた。なんでも一昔前には10モードスペシャルと呼ばれる車があったそうである。メーカーが新型の燃費を自慢する為に、日常使いづらい高いギア、離れたレシオ、低い出力と高圧縮比、軽量で乗り心地の悪い車体関係、低転がり抵抗タイヤ、効果な触媒と燃料制御装置、などなどを使って、アホな車を作ったそうである。実際はそういう車は値段も相応に高いので、販売台数は見込めないけれど、スペック上での数値がいいからどこでも作っていた、とある。まああからさまにそういう事を表示しているメーカーはまだ良心的かも知れないが、中には10モードスペシャルを普通の車のように書いていたのもあったらしい。私が聞いた最悪なケースは先先代シビックにあったエコ仕様で、シートが硬いしし、タイヤが細いし、乗り心地が悪かったそうだ。また家のアルトのシリーズにリッター30近く走るモデルがあって、新聞も取り上げていたが、実際にそのモデルを見てみると、なぜか乗用タイプじゃなかったり、値段が不自然に高くて諦めた覚えがある。もっともスズキのOEMタイヤに関しては、普通の状態で10モードスペシャルという噂もあるが。で、その事を新車発表会で指摘したら、彼がメーカーの代わりに圧力を掛けた、という話である。他にもそのメーカーとM本氏には深い癒着関係があったそうだが、メーカー名は公表を差し控えられている。
ただ、その時の批評によく出てくる名前から推察して、恐らく日産じゃないかと感じる。そして事実先日はフェアレティーZがテレビ番組でまな板に上っていたのだが、いつもなら文句を言う所が全部賞賛に変わっていて、さすが犬は違うな、と感心した。
という事で、もし新車を買おうという人が居たら、むしろ下手な本は読まない方がいいだろう。変に期待するだけ失望する。それが面倒なら、どの車に乗っても同じ事である。大体メカの事はメカに聞けばいい訳で、乗ってみれば簡単に分かる。日本であんな腐ったジャーナリズムが横行しているのは、試乗もしないで決めているからだ。不安があったら営業よりメカに聞けばいいのだが、なかなかメカニックは人前には出てこないのが難しいし、そのメーカーの物しか誉めない。だから中立的な自動車工場なんかなら、ある程度作られたモデルの情報はあるかも知れない。
新型フェアレディーに関しては、しかし、いい車だと思う、多分。アメリカ向けに作っていると言うけれど、結構日本的でもあるし、デザインは中村さんは秀逸だと感心している。これまであのダサイ車を連発していた日産とは思えない位先進的だ。けれど悪く言うとフェアレティーとスカイラインの見分けが私は付かないし、元々名前を変える必要があったのか不思議だ。過去にはこの二つが同じエンジンを共有した事もあり、スカイラインがRBからVQエンジンに変わったとしても、それほど重大なアイデンティティーの損失とは思わない(RBが消えた事は悲しいが)。今はフェアレティーの方が性能は高そうだ。でもこの車のコンセプト的な物は、時代遅れな感じはするし、デザインもアウディTTのインパクトには遠く及ばない。悪いけれど、日産はR34のようなダササがまた持ち味だった訳で、いきなりフランス語はしゃべれないような。まあメカ的には優秀そうなのは先日スカイラインの後ろを走っても感じた事なので、多くは言わない。それから日産は最近意味不明のIT戦略とエコアピールをしているが、日産のエコ性能は決して良くはない。信じられないのが、エコカー#1フェアレティーZ、#2エルグランド、#3ウィングロードみたな感じでやっているCMだが、マーチやブルーバードなら分かるとしてもエルグランドがエコカーなんて、世界が3回転して口が裂けても言えない。ホンダはエンジン自体もいいし、ハイブリッドシビックで本当に成功している。トヨタはプリウスを改良したし、エスティマやクラウンにもマイルドハイブリッドを採用している。都市部なら大排気量エンジンをアイドルストップして使うというのは賢い選択だろう。その点エルグランドはなんだ?日産のエコはその程度なのか?
あとチューニング雑誌はそういう部分から自由だと思う。もともと書いてある内容が新車の状態なんてほとんど関係ない世界だし、未だに古い車をいじっている傾向にある。例えば普通の雑誌が新型ロードスターは公称165馬力だが、実は140馬力程度しか出ていない、と書いたら問題になると思うけれど、チューニング誌では似たような事が書かれていても、どうせ「しかしバルタイを取るだけで10馬力アップ」とかマフラー換えてエキマニ換えてとなって、元がどうでも良くなってしまう。それに正直あそこに新車広告載せてもだれも買わないと思うのは私だけだろうか?朝日芸能辺りの方が広告の効果が高そうだが。ある意味読者がチューニング誌は純粋すぎる子どもだから、広告が効かないんだよね。
シンクロニシティー
ちょっと上でトーコンキャンセラーの話をしたら、なぜか発売元のトップから見える所に、いわゆるコラムとは別囲いでRSのトーコンやハイキャス、マルチリンクの話が出ていた。偶然だとしたら不思議な話だし、もし見ていたらそこに元々いい話が出ているので、わざわざ別コラムを起こす必要もない話なんで、ちょっと驚いてしまった。ま、サイト規模から言って偶然でしょうが、偶然の一致ってあるんですね。そこだとリアサス形式はマルチリンクがそれぞれのリンクの構造で特定の動きにあった特性を作れるマルチリンクが理想、と言っていました。まあ逆に言えばそういう特性を狙ってマルチリンクが作られた訳で、構造が複雑で重くなる事を抜かせば、当然いいはずです。実際シルビアなんか、リアに関しては不満は聞きませんね。フロントに関してはストローク不足をいつも言われてますが。またスプリングではなくて、サスのアームやブッシュで特性を作るのが正しい、とする意見ともあう形であり、形式的な問題はいかんしがたい、と思います。
しかし実際問題として形式変更はまず無理ですし、評価が高い車でもリアがダブルウィッシュボーンどころか、セミトレーリングアームや、下手するとリジッドアクスルという物さえある訳で、形式だけで決定される訳でもないでしょう。むしろRSの足をピロ化すれば面白いのでは?とも思います。というのはRSの足は支点が多くて、各部にブッシュを使っています。ブッシュは一軸方向に自由で、残りには変形して対応しています。あんまりブッシュが多いと、本来の運動方向の軸が全て歪んでしまう訳で、正確なストローク方向に力点がねじれてしまいます。RSの開発者の話ですが、時々ブッシュを締めているボルトを緩めて、サスを数回ストロークさせて、締め直してやる方法が紹介されていますが、それはつまりブッシュの捻れがストローク方向に少なくなるようにしてやる、という事です。特に支点が多いほどお互いのズレの問題が大きくなります。
そういうブッシュを使う事は、実は私には不思議でした。というのはバイクのリアスイングアームの構造を見ると分かるんですが、あれはスイングアームピボットにはブッシュを使っている物もありますが、最近は割とベアリング支持が多いです。バイクのリアと言っても横方向の捻れも受けますし、グリップもかなり稼いでいます。でも横方向への剛性を稼ぐ為に、ローラーベアリングやピロボールを使って、極力動かないようにしているのです。リンク式ではサスユニット自体には応力が掛からないはずですが、リンクにはブッシュは使われていません。充分な剛性があれば、余計な方向に捻れないベアリングの方がむしろストローク側に正確に力を伝えるので、性能がいいのでは?と思う位です。ま、メンテ性とかコストとかあるので、純正採用はないでしょうけれど。
あとリアではマルチリンクとして進化した多リンク化ですが、ストラット形式でもトヨタのスーパーストラットってのがありましたね。チューナー要らずと言われた形式なんですが、逆にその性能の良さが災いして廃れてしまったのは皮肉な話です。こう考えると、ダブルウィッシュボーンの良さは単に性能だけじゃなくて、調整幅が広い、ってことになりませんかね。RSの車高なんかは純正でも良くできているとは思いますから、調整が必要かは別問題ですが。
NNLの効果
NNLを投与してから100km位走ったが、始動性はかなり良くなった。圧縮が上がったのか、ドライスタート時の摩擦が減ったのか、クランクメタルの摩擦が良くなったのか知らないが、段々始動が早くなって来た。ミリテック使用時はいきなりとんでもなく始動性や静粛性が上がったが、少しずつ性能が下がる感じがするので、逆に毎度使わないと、という気になってしまう。でもアレが高性能添加剤である事に疑いはない。ただオイル消費にはNNLの方が定評があるので、こちらをチョイスした。でも始動時の特性を見ると、かなりいい線まで来ているのは確実だ。
ところでエンジン停止時の振動に関して、とある事を忘れていた。いつもエンジン停止時に静かに止まるのがいいエンジン、と言って来たが、とある事を忘れると調子が悪いエンジンのようになる。それはギアだ。ギアをニュートラルに入れてクラッチをつなげてたままエンジンを切るとギアの慣性力でエンジンが逆に回されてぎくしゃくして止まる。クラッチを切って止めると慣性はフライホイールだけなので、ギアを入れているよりはいい。ここを統一しないと訳分からない結果になってしまう。
春樹とRS
「海辺のカフカ」でマツダロードスターが出てくるそうです。今頃ちまたでRSブームですね。私も後で弟から強奪して徹夜で読みます。でも村上春樹は「スプートニク」辺りから、違う世界に旅立ってしまったので、なんか虚数空間の空気を読むような、違う雰囲気があります。まだカフカは通しで読んでいない事を断った上で、断片的にロードスターの記述を読むと、最近村上春樹が悪い病に冒されているのを感じます。ずっと昔、彼は大の車嫌いでした。もう男が車を運転できなきゃならん、というのは不条理だし、車がない世界が欲しいとまで言っていました。でもローマに住んだり、ヨーロッパっを旅行したり、アメリカで暮らす内に、車の魅力にとりつかれだしました。小説でも初期は車は全然出てこないのですが、短編でビートルが出てきたり、四駆が出てきたり、運転手が出てきたりしました。特に不評のダンスダンスダンスではマゼラティとかスバルとか出てきます。でも名前だけで、詳しい車名は不明です。カローラだけはちゃんと車名ですね、あの小説だと。そしてスプートニクではプジョーだったか、変な車の詳しい話が出てきます。
また自身の話では、旅行で古い日本車に乗ったり、アメリカではVWに、ローマでは確かアルファかなにかに乗ったような事が書いてあります。多分デルタだったと思うけれど、日本で走らせて諦めた事が書いてありました。またこの頃はデルタのアライメントがずれて勝手に曲がるのを「この車は勝手にハンドルが切れる車で、東名のどこそこのカーブと同じ曲率なのを自慢した」なんてハクチ的な事言っています。そんな車あるか!じゃあ最近はどんな事を書いてあるのかな?と思ってみると、なんでもマツダロードスターのVスペをチューンして乗っている人の事を書いてあるようですね、どれどれ。「特別なチューンしてあるから140kmまで簡単に出る」、ですか。春樹氏には悪いが、RSは格別速い車じゃないですよ、だから過剰に速さを描いても仕方ない車です。この先どんな事が書かれているか知らないが、どーなんだろう。でも140kmは特に難しい車でもありません。アクセル開度が低くても140kmが出るのは大した事ですが、そこら辺までは割とトルク感も付いてくるような。
ただ気になるのは、「特別なチューン」という言葉です。そこら辺のRSではない、特別なチューンってなんでしょう。カム交換?みんなしてますね。ボアアップ、うーんそこら辺までやれば、確かにドツボにはまり気味です。NOSシステム(ニトロ)を積む?かなり特殊だと思うけれど、クルーズで使うシステムじゃありませんね。ロータリー積み替え?チューンと言うより心臓移植、反則です。でもロータリエンジン自体は中古で沢山あるし、方法が確立されればやってみたいチューンですが。私が恐れているのは、春樹氏がエキマニとエアクリ交換程度で「特別なチューン」だと思う事です。さもなきゃ特別なチューンがどこかにあると思っている事です。あくまで理屈の話ですが、特別なチューンというのはRSでもREでもバイクでも、ストリートでは特にあり得ないでしょう。サーキットなんかで特定のコースに合わせた○○スペシャルというのはあります。例えば日光スペシャルとか間瀬スペシャルとかね。あとは特定の使用方法に特化した、似たような意味でもスペシャルもあります。最高速スペシャルとか。でもストリートスペシャルというのはありません。スペシャルじゃない事がストリートのストリートたる由縁だからです。あらゆる用法、あらゆる条件、あらゆるドライブ、それらに対応する柔軟さ、それが街乗り車でしょう。またエンジンに関しても、どこか「特殊」な工作で「特殊」になるって事は考えづらいです。全部バランスの上、一カ所だけでスペシャルにはならない、それが機械の理屈だし、またかわいい所だとも思います。まあ敢えて言えば、その基本途中の技術に関しては特殊な物があるのは事実です。例えばメッキシリンダーとかタフトライド加工とかフルバランスとか、あんまり見ないという意味で特殊だけど、理念としては普通です。私がよく書いているオイル添加剤も、確かに一部の人には外連と言われていますが、アホみたいにエンジンを見つめて基本に帰った所で生み出された結果の物もあります(そうじゃないのもありますが)。
そして感じたのが、春樹氏の過去の小説の中のこんな話です。世の中が全てやり尽くされた事で一杯で、みんな何かのパロディーになっている、そんな世界でオリジナルでスペシャルである事は不可能だ。逆説的に全てが凡庸な、まったくの中庸こそが類型の王としてスペシャルかも知れない、と。案外車のチューンもそんな物かも知れません。あるべき物があるようにある、たったそれだけの事を追求した物ってなかなかありません。だから彼(RSのオーナー)に「車だって特殊ってのはないですよ、もう。敢えて言えばノーマルを完全にしたノーマルが特殊かも」と教えてあげたいですね。春樹氏自身がどうお考えなのかは分からないですし、今日読んだら感想文でも書きます。朝日新聞の紹介文が強烈すぎて、先入観が強いんだけどね。ま、彼は昔ビートルに「ラジエターを付けて」読者から指摘された強者なので、この話は単なるお遊びで、言葉尻を捉えたジョークです。でも世界は本当にラジエター付きのビートルが出てしまいました。彼の言う、パラレルワールド的な世界に近づきつつあるようですな。
海辺のカフカ1
まだ上巻が読み終わってないのですが、面白くないからです。でも考える物がない訳じゃない。でも評価はしていません。弟によると下巻まで読んで「失敗した」と思ったそうです。私が春樹を読み出したのは大学以降なので、子どもに分かるとも思いたくないような、それでもこれはないよな、というような。でも書くのは相変わらずRSの事ですが。
大島さんがRSを飛ばして山に行った時に、エンジンを止めると冷却ファンが回りだした、という話があります。RS乗りなら知っていますが、すぐに冷却ファンが回るようなら、最後にクーリング走行に入るか、アイドルでもすべきです。というのはRSは冷却効率が悪くて、すぐに冷却水にエンジンの熱が伝わりません。ま、他の車でも似たような物でしょうが、つまり走っている時は水温は低いのに、止まってラジエターからの放熱が落ちると、いきなり水温が上がります。お前ターボかよ!って位。だから、最後まで全開ではなくて、最後にエンジンで発生する熱が冷却能力を上回らない速度で走って、熱を抜く事が必要です。不思議なのが、なんでエンジン切ったのにファンが回るかですね。一応キーオンで電装系が生きるので、ファンのスイッチが入っていればファンは回り出します。という事はわざわざ冷却しようとして、ファンを回しているのでしょうか?でも問題なのはつまりエンジン内部に溜まった熱なので、冷却水が廻っていないラジエターだけ冷やしても意味がありません。やるならアフターアイドルのように、ファンを回しながらエンジンも回さないと意味がありません。よくRSの特性を書いていると思いますが、それだけに意味不明です。
私は彼はかなり車には思い入れがあって登場させていると思います。BMWとマセラティは、本当に所有していたのか分かりませんが、ゴルフはそれに近い物を持っていたようですし、決して乗っていない車の事を書いているとは思わないから、逆に突っ込んでいるんですが。またRSに関して面白い記述を見つけました。大島さんが高速でシフトをする時に、手のひらを使って、という表現があります。どんな人でも「スムースに」とは書けますが、「手のひらを使って」と書けるのは、一応分かった人だと僭越ながら思います。というのはシフトレバーには様々な形状があって、決してみんな同じって訳じゃあないからです。RSや実用車なんかは割と単純な、タダの大きな楕円ヘッドのレバーを持っています。卵型と言ってもいいかも知れません。また中にはシフトレバーの先を多少尖らせて、指先が引っかかりやすい形にした物もあります。ちょうど長靴を逆さにしたような形です。レガシーがそうでしたし、カローラも中間です。またフェラーリ全てがそうか知りませんが、あれはずいぶん小さなピンポン玉みたいなシフトレバー形状をしています。
それぞれにドライビングポジションやシフトストローク、シフト構造(リモートかダイレクトか)、ギアの入り、車格などなどを考慮して決められていて、それぞれ使い方に違いがあります。そして私だけの考えではありませんが、RSは純正のあの形が良く出来ていると思いますし、かなり重量とか形状にこだわったそうです。あのシートやペダル配置で、「こだわった」というのは程度問題かも知れませんが、複雑な形状のシフトレバーは一見凝っているようでいて、使いづらい事があります。まずFRで割合低いポジションの関係上、シフトレバーはショートストロークで肘を支点にしないでも入らないといけません。同じような形でもアルトのそれはレバー比も大きく、肘ごと引っ張って入れます。それも嫌いではありませんが、RSとは違います。RSのは手首の返しで入れるように工夫されています。どの車でもそうですが、ギュッとレバーを握っちゃだめという事ですが、異形レバー(長靴とか)は、その点ちょっと面倒です。レバーをひく動作(2速から4速や3速から2速)において、指が引っかかるようになります。技術者はその方がシフトミスが減るとか、手首の返しを使いやすいと考えたかも知れませんが、レガシーでも使いづらかったです。慣れもありますが、RSのようなシフト形式だと、なおさら使いづらいでしょう。というのは、レバーが相対的に上にあればあるほど、指をかけてレバーを掴むと、掴みづらいからです。手首が「くの字」になるから、力が入れづらいし、シフトレバーの中心が掴みづらい。力点を取り出すと分かりやすいのですが、レバーがただの棒なのと、差し金みたいに前に飛び出した棒とを考えてください。棒ならばレバーの根本の動きがすぐ分かりますが、差し金タイプだとゲートが掴みづらいのが分かると思います。まして指先がひっかかると、差し金じゃなくて傘の柄の先端を持って字を書くような物です。
大体上手いシフトだと指先をかけて力を入れる必要はありません。肘を固定して手首を返すだけで充分です。ま、入れる方はアクセルワークとの絡みがあるので、力が要る場合もありますが、それでも普通の卵型で充分です(RSでは)。で、大島さんの「手のひらを使って」というのの描く、いい質感の話なんですが、力が入っていない、ノーマルRSのシフトレバーのいい感じを生かしたシフトは、まさに手のひらでシフトしています。特に上のゲートに入れる時は、掌で軽く押す感じです。下に引いて入れる時は、入れたいゲートによって、微妙に握り方を換えています。例えば3速から4速の時には、ほぼ上を握っていますが、3速から2速の場合には、多少レバーの右上に手を置いて横方向に動かしています。また3速から4速などの場合には、左側から腕を回して、レバーを横から倒す場合もあります。まあ無意識にやっている事なので、どっちがどう、とは言えませんが、横から見ているとシフトレバーを操作する手は、水晶をなでる手のような感じがします。これが異形レバーだとやりづらい。そういう点を巧みに捉えた上手い表現だと思うわけです。
異形シフトの弁護をすると、多分シフト頻度が低い、ギアの入りが悪い、悪路走行を想定している、などの、それなりの理由があると思います。私もRSでシフトの調子がいい時に段差で飛ぶと、一瞬手がシフトレバーから浮いてどっきりします。
まあ半分ネタみたいな話ですが、いい作家の質のいい話ってのは、描写が真に迫っていて、それで読者を魅力する物があります。いい物が持つ重さみたいな物があるんです。単純にスムースと書くのは誰にでも出来ます。逆に恐ろしい速さで、とか書くのも可能です。でも形容詞に逃げずに、また感情表現だけでもない、比喩も使わない、まるで読者が助手席に乗っているような表現、そういうのを見つけるとちょっと嬉しくなります。
余談ついでですが、大島さんの運転の怖い所もあります。まずシフトレバーに手を置きっぱなしってのは危ないですよ。とっさにシフトする必要はありませんが、ハンドルを切る時はあります。2速で40kmから80kmは余裕でカバーしているので(正確には上で100km近く行く)、むしろ経済走行じゃないと、こまめにシフトはしませんが。
海辺のカフカ2
奇妙な、だけど刺激的な話だった。下巻に入った時には、もうその世界から出られない、そんな感じがして、昨日は徹夜だよ。読むのに抵抗が凄まじい、言語野に強制入力してもメタファーとか暗示という理解負荷が凄まじいプログラムが組まれていて、上手く処理が進まない、そんな本だった。本自体に掛かる比喩が多くて、その意味を考え出すと思考がすぐにサイクルに入ってしまうトラップの山だ。結局一つのページ毎に1回は目を閉じてデーターカードをあっちにやったり、こっちにやったりして、意味をくっつけようとした。でもなんか、この歪んだ話は、視界の隅で揺らめくカーテンの端のような断片的イメージでしか捉えられない、そんな感じ。そして、その意味さえ、実はどの程度あるのか疑問はある。佐伯さんの歌詞を大島さんと田村君が考えた時のように、詩的な言葉は色々な理屈を超えて結論へ飛ぶ芸術的なインスピレーションで出されているかも知れないが、同時にちょっと慣れるとそういう物は簡単に模倣出来るのだ。そう言うには村上春樹はまだ親切すぎるかも知れないけれど、最近は全面的に信頼もしていない。
話全体は、私の少ない古典文学知識からすると、多分カフカ的な不条理さとギリシャ悲劇的な不条理さがごちゃ混ぜ(その見分けは付かない)だろう。そもそもこの話は色々な矛盾というか、現代性があるようでない、超越性を兼ね備えている。私がスプートニクを一度しか読まなかったのは、なぜだったのか、ちょっと分かった気がする。あの話は主人公が居なかったからだ。変革する主人公、それが彼の小説のコアであり、人の変容は実は彼はあんまり気にしていない。いつも「自分は」、という所からじゃないと始まらないのだ。そしてこの小説の、いささか時代錯誤が入った中学生は、彼自身がやり直したい(または意味を付けたい)自分自身の投影だろう。トーキングヘッズとかローリングストーンズとか、ジョンコルトレーンとかを聞く、サーキットトレーニングが好きな学生が現代に居るとは私は思わないし、MDウォークマンを聴きながら、一方でカートリッジの針の具合を見られる中学生なんて考えづらい。
はしょって書くと、この話はちゃんと春樹の前とつながっているし、多少オカルトチックだろうが自己啓発セミナーぽかろうが、そういう所へは逃げていない。まあ昔からよく出てくる物が、今回はちょっと明確に出てきた、そんな感じはするけれど、それはメタファーで、重要な点は二つだと思う。一つは親が出てきた事だ。村上春樹では恐ろしく親の描写が少ない。結婚相手の親の話がちょっと書かれた時があった。それは現実世界でも、国境の西でも同じで、彼はかなり現実とリンクした事しか書かないから、そうなんだろう。もしかしたらピンボール辺りで、父親が自分の靴を磨くような話しをしたかも知れないが、彼はまるで家族が一人もいないような主人公ばかりを書き続けた。私が意外に思ったのが、羊を巡る冒険で、右翼の大物の部下に脅迫された時にさえ、主人公は失う物がなにもない、と答えている。部下(正確には後継狙いの実質のボスだが)は「我々はお前が失うと困る物を見つけるのが得意だ」、とは言ったが「一族郎党に迷惑が掛かるぞ」という台詞ははかなかった。この種の人の常套的方法だと思うのだけれど、それとも主人公は全くの一人だと暗にほのめかしているのだろうか(一人っ子だった気もするが)。が、今回はやっと親が正面に出てきた。別にオーディプスコンプレックスをテーマにしたくて出した訳じゃなくて、親を書きたくてテーマを借りたんだろう。しかし、やっとここまでたどり着いた、そんな感じもする。小説は小説だから現実での追求は意味はないけれど、特に問題がなかったとしても、一度は親と自分を再確認しないといけないと考えたからかも知れないし、それとも人に言いづらい事が事実としてあるのかも知れない。まあこれは後で。
次の重要な点は、主人公は自分の意志で話を始めるという点だ。これまで村上春樹的主人公は、自分から行動を起こす、という事が極端に少なかった。もめ事はいつも他の世界からやってきて、彼は仕方なくそのダンスにつきあわなくてはいけない。しかし夜が明ければそういったごたごたは、まるで嵐が過ぎるように過ぎ去ってしまう。羊では鼠だった。ダンスでは羊と五反田君だった。ハードボイルドでは組織であり博士だった。ねじまき鳥では、なんだったっけ?大抵彼は「ヤレヤレ」と言って「でも選択の余地はないんだろ?」と言ってみるだけだ。今回もそういう状況的な物の圧力はある。でも話の大本は彼自身が家出をする事から始まっているし、こんなに引きつった目をした主人公は見た事がなかったように思う。ただ、その最後については、必ずしも納得は出来ない。もし嵐が過ぎて自分が取り残されたのなら、ちょっと泣いてまた同じ道に戻るのもいいかも知れない。でも今回は最後は大笑いして終わってよかったんじゃないか?これまでの主人公は星野さんだが、それが笑っている。
じゃあ以下は細かい話だし、ネタばれもあるし、見ないでいい話。この話のトータルでの評価は、ちょうど大島さんがシューベルトのピアノ曲を評したのと同じだ。ひどくちぐはぐで、冗長で、未完成というより最初から傾いた感じだ。作家が持てる限りの要素を詰め込んで混乱させたような、まぜこぜな感じ。この話にはこれまで別々に書かれていた事が、同じように書かれている。なんとなれば、一つ一つのモチーフは過去の作品で探せるだろう。それも中長編だけじゃなくて、小品や雑記に書かれていたような、ラフな文体や軽妙な言い回しも多い。確かにこれまでの長編でも異常な人や異常な話はあったけれど、カーネルサンダースや魚が降る話なんかは、どっちかと言うとカンガルー日よりとか回転木馬とか、村上朝日堂のようなおちゃらけた雰囲気さえある。前半の退屈だが緊張感がある話から一転、猫のミューズを思わせるミミとの会話、そしてお馬鹿なロードムービー的なコントまで、まるで交響曲の楽章をシャッフルしてしまったかのようだ。彼はかつて自分は二つの面を別々に出す事でバランスしている、と述べたが、今回は一つの作品の中にリラックスも緊張もあるのだ。
文章の上手さは、もう村上春樹の世界で、最後の一人称が段々誰か分からなくなる辺りは、果てしない物語のような引き込み方を感じる。下手にそんな事をすれば、あざとさが残るのだが、あそこら辺の切実さは、上手い書き方だろう。ただ、それだけに、前半のリポートのような部分が果たして必要だったのか、その意味を見いだせない。確かに部分的に意味は通じるし、ああやって情報を小出しにしていって、それがつながる感覚というのは面白くはある。村上春樹は関係性の中に意味を見いだそうとしている気配があるし、その意味も教えてくれる。でも今回は多くの物がアンソルブド、解決されずに残ったままだ。予言や予兆はあった、でもそれが全てかなったか?と言うと、まるで不発の超能力番組みたいに「結果待ち」みたいなもどかしさを感じる。これまで、こんな不親切だったかしら。
春樹が最近の作品でコアに置いている物がいくつかある。それはずっと昔から意識の底にあったなにかの具現化かも知れないが、一つは電話だ。ネジ巻き鳥で見るように、切れた電話、配電盤、つながる、というキーワードは重要だ。なにかの関連性、結びつき、それは他の人となのかも知れないし、もっと大きななにか(例えば原発とか?)との接続かも知れない。でも羊が言うように、関係性を切ったら、からっぽになってしまう、そんな不安を感じる。今回は電話は携帯になったけれど。次は井戸、壁、壁ぬけ、深い森、柵、壁、といった物だ。これらはかなり明確なイメージというか感覚があるみたいで、心理学者とも壁ぬけの話をしていた。壁ぬけと言ってもスチロールとベニアの壁があって、そこに突っ込むような壁ぬけじゃないけれど、意識のブレークスルーとでも言ったらいいのかな?今回は本当に肉体を容器だと思ったり、逆に容器が本質だと思ったり、錯綜が見られるし、これらの精神的な物を物質としても扱っている。龍之介の遺作のように、歯車がみてちゃっている、ちょっとやばい感じだ。
安い借り物も多い。例えば佐伯さんの話は、一部では秘密の花園のような面もあるし、カーネルサンダースはデウスウキスマキナまんまな事を言っている。あと相変わらず主人公は意味もなくモテる。さくらという人物は、もうほとんど人物として意味を感じないけれど(それは一種の記号のようだ)、過去の作品へのオマージュ的な繰り返しはなんか意味があるんだろうか?この話が精神分析的な成り立ちを持つ上で、性的な話が多いのは仕方ないかも知れないが、いい加減春樹の趣味にはついていけない気がする。
それから話をめちゃくちゃにする上で、各部にかなりザッパな記述があって、フィクションとは言えちょっと酷い事を言っているように感じる。大島さんがゲイというのはなんとなく分かっていたけれど(私はフライデーとか片手の兵士を思いだした)、さらに色々な事をブラックに言っていて、読む人に不快感をもたれるように感じる。知能障害者に関する記述も、あれだけ世間との波風を気にしている作者にしては、なんの断りもなく、一瞬村上龍じゃないか?とか思った。物を書くのはきれい事では済まない、私が血が流れると書けば血が流れる、とどこかで言っていた人にしては、無邪気に攻撃的だ。特に許せないのが、高松でレンタカーを借りる時の話だ。「目立たない車がいいんだけど」「こう言ってはなんですが、家はマツダ車を扱うレンタカーなんです」とか一目見てから目をそらすと、その形が思い出せない、とファミリアの事を言うのは、ちょっと彼の美的感覚がおかしい?と感じる。この話の白いファミリアがBGファミリアなのか、それとも後のタイプか知らないが、徳大寺はともかく私はファミリアは結構好きだ。確かにエグイ羽根や挑発的なグリルは付いていない。むしろ平凡さを地で行くようなデザインだ。でもそれが目立たないか?と言われれば違う。大体ファミリアなんてマイナー車が走っていれば、逆に気になる物だろう。カローラの方が目立たない(俺も酷い事言ってる?)。個人的な嗜好の話になるかも知れないが、ファミリアのデザインはクリーンでエッジが効いていて、中身は知らないがかなりいいと思う。実際そう思ったから、特に似合うと思う白にしたのではないか?と思うが、本当に目立ちたくないならカロゴンとかサニー辺りの方が真実味はあるだろう。(そう思っていたが、よく考えたら教習車がファミリアだったが、それがファミリアだった事は完全に忘れていた、そういう車と言えばそういう車ではある。でも好きだが)。
登場人物にまともな人が誰一人としていなくなってしまい、その捻れた所がむしろ心地よい、と思わせるマジック、反対に現実世界での残酷さへの否定。村上春樹の作品は一種のユートピアへの誘いもある。不完全な事を完全として受け入れる事で成立する、敗者の聖地。現実から見ると異常で、実際最初は不気味な物として書かれている。良く出てくる羊男はまさに、そういった死者の国の影のようだ。死の国を積極的に認め、そちらでの永劫の生を評価する浄土信仰的な物はあちこちにある。最近のアラブの「聖戦」にしても、それが物質的な死だったら、ああも流行らないだろう。主人公はいつも、そういった影(「死の対極ではなくて、生の中の」)という形での完結に流れそうに書かれている。逆に影から見れば自分こそ影なんだろう。「世界の終わり」ではまさに影が逆転している。お互いが一致すればいいのだが、その性質上二つは一つではない。単なる内部人格という訳じゃなくて、いつもそういう価値基準での分裂がそこに見られる。かつて春樹の作品では影は影として死者の国に葬られるか、現実にあっても現世にあらず、という感じだった。もしかしたら主人公の友人達も、一種の影の投影かも知れない。でも影と一緒になれれば、もっと幸せになれるはずだ、という発想が結構増えてきた。背反する二つをへだつ壁を越える手段はないか?そんな求道めいた感じを受ける。でもドラスティックに世界が変わる事はなくて、主人公はユートピアからは追放される。お互いの世界が同時にかなう、不自由の自由みたいな物は見つかっていないのだ。だから涙ながらに天国を追われるか、矛盾する存在が消えてしまう。
でも今回はユートピアから追われたのだろうか?現実に迎合した、という読み方も出来るかも知れない。結局学校に戻ったのだし。でも作者がわざわざ15才に戻ったのは、まさに影を探しに戻ったのではないか?どこで分離したのか、失われてしまう前に、または取り返す為に、そこまで戻っているのである。考えてみれば最年少の主人公で(作中通しで)、これまで主人公が面倒を見ていた(または見てもらっていた)ナイーブでセンシティブで、まだ失われていない世代がテーマなのだ。そこが出発点だと思ったんだろう。これまでも、成長と分岐点はよく描かれていた。羊男には「あんたはなにかなくすたびに、印のように捨ててきた」とか言われる。今回は失われた物は実は失われていない、ただ飲み込まれただけで、むしろ完全な円というのは危険だ、という感じを受ける。作者は結局戻ってそこで現状を再確認しただけかも知れない。もっと現実を見なければ、過去の思いでは、現在を食べているのかも知れないが、まさに現在に生きている訳だから。「思いでだけじゃお腹が減るわ」という訳か。
村上春樹はある程度まで普遍性を持っているとは思う。韓国で人気なのは、ちょうど70年代80年代の日本と符号する価値や社会基準があって、そういう物に同じ感覚を持っている読者がいるからだ。いや、世界的かも知れない。一種の宗教というか、物の見方だ。でも最近の作品に今ひとつ集中出来ないのは、いくら軽妙な文体で書いても、面白いエピソードを出しても、もう彼は普遍を求める訳にはいかないからかも知れない。もちろん作品を通して世界が良くなるように思った芸術家は沢山いた。でも非常に個人的な問題を無視できない、そんな気もする。集団幻想というか、意識の核みたいな物はあるのかも知れないが、海を見たことない人に老人と海から色々読みとらせるのは難しい、そんな感じだ。またもう一つ非常に気になるのが、この本の発売タイミングだ。以前どれかの本の発売日とか曜日とかで色々な憶測が飛んだが、今回は9月10日になっている。当然だが、地下鉄サリン事件にあれだけ興味を持った彼が同時多発テロに興味を持たないはずはない。でも本文にもなんにもそれらしき事は見られない。ま、いちいちノンフィクション作家をやってる訳にもいかないけれど、ちょっとは言いたい事がありそうだ、とは感じる。でもそれがなんなのか分からない。
追記:ちょっと経ってから思い出してみると、この話のストーリー自体は破天荒にも関わらず、ほとんど忘れていた。話が悪いという訳じゃなくて、展開があまりに村上春樹的なので、ドラマのプロットを追うという意味だと「家出した」「図書館に行った」「山に入った」「図書館に戻った」「家に帰った」という事しか、現実として理解出来ない。残りは夢か現か分からないし、細かいプロットは春樹的ドラマツルギーに則って進むので、覚える必要がないのだ。確か前ドラマツルギーを言っていたのは、羊の冒険の中だったかな。
親密な空気
海辺のカフカのメインの舞台となる図書館、あるいは博物館というのは村上春樹も昔からよっぽど住みたかったらしく、カンガルー日和だったか、ゾウだったかで、博物館員の一日みたいな物を書いている。また渡部某という「知的生活の進め」を書いた博士か作家は、実際に図書館に住んでいた時代があったそうだ。図書館に宿泊施設があるのか分からないが、確かに夜の図書館は案外悪くないなぁ、と思う。そこにあるのは親密だけど、お節介でもない、節度のある親密さだからだ。映像としては「セブン」の中で、サミュエルおじさんが調べ物をしている図書館のイメージが強い。あれだけ犯罪都市なのに、図書館は我関せずだ。
なんで図書館は居心地がいいのか?小説の冒頭でも書いているが、無料でいくらいても文句を言われず、屋根もあれば本もある。そして結局そこにある距離感がいいんだと思う。例えばイギリスのBB、家族のようだけれどお客でもある、その微妙な関係。これは高級旅館でもあるそうだが、なかなか程度がいい感じというのは求めがたい。過剰サービスがサービスな訳ではない。ある程度放っておいてくれる感じが気持ちいい。例えば茶の席、最初はしち面倒臭い行儀作法があって取っつきづらい。おもてなしでも客が緊張するようじゃ良くないと思うけれど、結局あの緊張感というか距離感が逆にぴったりくっついた上辺の親密さ以上に近く感じるのだろう。ハリネズミのジレンマというのがある。近づきたいが近すぎるとお互いの針が当たってしまう。よってギリギリの距離に妥協するという物だ。相手も自分も、ひっついてしまうと息苦しいし、良くない面も見える。そういう事が分かって距離を置くというのは、現実的だが大人なんだろうね。
かつての図書館はまさにそんな感じが強くて、なにに突き放されているか分からないけれど、確実に人になにか自粛させるような威圧感があった。最近は明るくてオープンな設計も増えたけれど、なんかあるべき物がないようで落ち着かない。そして甲村図書館はまさにそんな古い時代の図書館の典型だ。そういう所だと、お互いが必要以上に干渉しない、そんなルールを感じる。でも本当は親密だ。そんな種類の安定した世界、それが「現実の天国であり、帰る所」というのは、やや控えめながら村上春樹の嗜好を如実に表している。私も割と好きだ。今はあんまり人が集まる場所ではないけれど、神社仏閣にもそんな不思議な感じがある。今はそこに行ってお祈りをしていれば満足、という人はいないけれど、人にはそういう落ち着ける場所が欲しいんだな、と最近図書館の固定気味のメンバーを見て思った。私は正直今の図書館で長々と本を読むという事はない。綺麗すぎるし、背中が寒い。開けすぎてる。どんな図書館でもいいという訳ではない。でもいつも高級割烹のカウンターに座れる訳はないから、図書館はいい選択なんだろう。
あと小説で出てくる唯一「まとも」そうだった人(のちにまともでないと判明)のイメージも、ちょうどそんな感じを受けた。かつて村上春樹はダンス・ダンス・ダンスの中でユミヨシさんを「ホテルの精のようだ」と誉めたけれど、その人も「図書館の精」みたいな感じを受けるように書いたんじゃないか?と思う。結構そういう所に細かいのだ。この人は性同一障害のゲイという、まるで話の為に作られた捻れの人物のようだけれど(深刻そうに書かれていないので、患者から抗議されるんじゃないかと心配だが)、基本設定を抜かしてしまうと、頭がよくて礼儀正しくて、ちょっと運転が上手い素敵なお兄さんという感じで、一番まともだ。これまで村上春樹の話の中でゲイは一番損な役回りをさせられているような気がするが、それはある種のまともさが社会的には逆に異常な事へのアイロニーもあるだろうが、彼はゲイのこざっぱり感が好きなんだと思う。秩序的というか、ある意味禁欲的な感じさえ受けるそういう所が、図書館の持つ雰囲気に似ている。
点火時期・圧縮比・空燃比
最近点火時期の話をよく書いたが、それは単体である物ではなく、エンジン制御の中で相関関係にあるパラメーターの内の一つである。でもやたら空燃比と圧縮比の事が言われるので、よく重要性が忘れられるというか、ノックギリギリがいいんだろ?みたいな雑な考察になりがちなので、私も勉強になった。点火時期調整とエアフロなど空燃比の調整、どっちが体感効果が大きいかと言えば、実は点火時期の方が良かった。もちろん空燃比と点火時期は違う物なので、どちらをどの程度いじったか?という比較しようがない問題はあるけれど、今は点火時期をちょびっといじるだけで、かなり変わる事が分かった。そして、実はこの二つは深い関係がある。あと先に、バイクだとここら辺はなぜか詰められていて、調整の意味がない事を言っておきます。バイクでもクランクアングルセンサーをいじって点火時期を進める商品はあるんですが、元々高回転高出力を狙っていて、かなり純正位置がいいらしいです。レース車両でも吊しの状態でそこは使えているらしいし。点火時期はキャブほどおおざっぱで環境に左右されづらいから、詰めて売られているんですかね。
点火時期にはMBTというトルクピークを最大にする位置がある事は述べた。つまり圧縮抵抗になりづらく、かつ圧縮上死点から最大限クランクを回す力になる位置で最大のガス圧になるように点火するのが最適という話だ。そして低回転だと燃焼が遅いのでMBTよりかなり先にトレースノックがある事も分かった。で、最大のガス圧の位置というのは力学的にほぼ決まっている。それはクランク角で15°近辺らしい。よくピストンが圧縮上死点で最大ガス圧になるように調整する、とよく間違って解説されていたりするけれど、上死点の意味を知っていれば、それは微妙な嘘だと分かるだろう。クランク運動には、二つの作動停止点がある。クランクの軸がすべて一直線上にならんで、力がかからない、それが上死点と下死点だ。つまり圧縮上死点で最大ガス圧になっていると、実はクランクをすごい力で止めようとしているのと同じな訳だ。もちろんクランクには慣性があって、すぐに回転方向に力が加わるようになっているのだが、中には間違って逆方向に動く事もある。2stの単気筒の原付なんかで、リードバルブじゃない奴なんかだと(もしかしたら違う要素かも知れないが)、アイドリングが止まりそうでブリッピングをくれたら息を吹き返したが、発進したらいきなりバックした、という話がかつてあったらしい。慣性力がないから、クランクが逆回りしたらしい。
このクランク角で見る点火時期はほとんど回転数に関係ない物だから、当然そこをメーカーは狙ってくると思っていたんだが、実は色々な理由でここで制御は出来ない。前にも述べたがMBTは低回転だとノックより遅い位置にあるので、そこを探せばいい。でも高回転だとトレースノックとMBTはほとんど一緒か、ノックの方が先に来ている。先に大前提で点火時期尊しの立場から言えば、全域MBTで点火というのは非常に重要である。点火時期が遅い早いは、単なる出力の違いではなくて、時間損失や熱効率の低下にもつながるので、最適以外はどちらに転んでも燃費や冷却でのデメリットも受ける。よくオーバーヒートで点火時期を遅らせたり燃料を多く入れたりして、ボヘーとストールしているエンジンの話を聞くが、確かにノックしない事は重要だが点火時期を遅らせてもエンジン温度は上がってしまうので、更にトレースノックが下がってしまい、そこで回る為にはかなり性能を犠牲にした保護をしないと回らない。だから機械的にノックしづらいという事は、それだけでも点火時期に非常に有り難い特性とも言える。トレースノックがMBTより余裕を持って上にあれば(それは可能かどうか分からないが)、そのエンジンは無駄がない制御になり得るのだ。わざわざノックしないエンジンを作っても、MBTを越えてノックするまで点火時期を進めるのは、問題認識が間違っている。
じゃあ割と簡単な点火時期の問題に較べ、計測も難しい空燃比との関係の話に移る。空燃比は理論空燃比である14.7:1辺りが完全燃焼しそうな物だし、パワーも出そうな物だが、普通のエンジンだとそこらへんは薄すぎてパワーは最大ではない。出力的には12:1程度の出力空燃比が一番トルクが出る。なんでそこら辺でパワーが出るのかは、これまで燃焼ロスという事で理解していた。つまりエンジンではガソリンを吸い込んでも全てが燃える訳ではない(正確には混合ガスとしては)から、余分に吹いて実際の大部分の混合ガスが14.7辺りになるのが12:1辺りの混合比なのかな?と思っていた訳だ。実際に噴射されたガスはポート壁面にくっついたり、燃焼室壁面で蒸発しきれなかったりして、後でじわじわ燃えたり、次のサイクルに含まれるとは知っている。だから気化を良くしたり、ポートの表面処理で、この出力空燃比は違ってくるんだろうな?とは思っていた。確かにそういう面はあるだろうけれど疑問もある。一定の回転で出力を上げて走っていたら、そういう通常燃焼に参加しないガスが一定量だとしても、実際の空燃比は段々濃くなるんじゃ?と思う。まさかポートがベタベタになるほどガソリンが溜まるとは考えづらいからだ。回転が上下する時にはその理屈は生きているかも知れないが、一定だとさほど重要ではないのでは?更に言えば最近のエンジンは予測制御と言って、マップの数値に近づくように、そういった未燃分を見越した燃料噴射をしている。例えばいきなりガスペダルを踏んで理論空燃比から出力空燃比にふやしたとすると、燃料遅れを見越して余分にガスを吹いたり、吸気の前にガスを吹いておいたりする。そんなエンジンで出力空燃比に意味はあるのか?と。
それには出力空燃比のもう一つの顔、燃焼速度を考えないといけない。火炎伝播速度のピークと出力空燃比はほとんど同じだ。それより薄くしても濃くしても燃焼が遅くなる。火炎温度はもう少し濃い方で最大になるけれどね。燃焼速度が速い事と出力が大きい事の関係はなんだろう?燃焼が速ければ当然最大ガス圧も上がる。また圧縮時に抵抗になりづらい(後で火を付けてもクランク15°で最大ガス圧になるから)。燃料冷却とか触媒性能とかの理屈はあるけれど、詰まるところ空燃比は(NAでは)出力空燃比にしておけば間違いないんじゃないか、点火時期さえ合っていれば、という事になる。そして発見した事だが、よくノックと言うと圧縮比が問題視される。ノッキングの原因は高圧縮でエンドゾーンから先に燃えるのが問題、という奴だ。でも、これも、出力空燃比にする事でずいぶん改善されるはずである。というのは、ノッキングが起こるのは、燃料の燃えが遅い事で、エンドゾーンの加圧が長く強く起きてしまうからだ。燃焼速度が遅いのが悪いと言ってもいい。バイクだと空燃比を薄くするとノックしやすくなる、と言われるがこれまでその意味が不明だった。確かに薄くすれば燃料冷却がなくなるので、燃焼室温度は上がるかも知れないが、同時に燃焼ガス温度も下がるので、例えば出力空燃比の下の濃い混合ガスの方が瞬間的に温度は上がるはずである(まあ境界層があるから、燃焼ガスはガソリン粒子と違って、簡単に壁面には作用しないのかも知れないが)。むしろ薄い空燃比だと、燃焼遅れが大きくなって、ノッキングが起きているのではないか?と予想する。適正な空燃比で運転する事はノック限度も上げる事になり、それはMBTがノックより前に来られる可能性を示している。なんでもノックに関係するなあ。
じゃあもう一度圧縮比について考えてみると、圧縮比が高いほど熱効率がいいのは事実だ。もちろん実圧縮での話になるのだが、結局アクセル全開でしか実圧縮がノック限度には近づかないので、特にパーシャルでは圧縮比にはかなり余裕があると言える。しかし全開にするとノックで使えないエンジンでも困る訳で、一応全開でもMBTがノックを下回る(か近い)事を目標に考えてみる。熱効率が上がる事は、同時に冷却水への放熱などのノック要素の低減にもなるので、圧縮が上がると全てがノックしやすい方向に行く訳ではない。大体考えてみれば分かるが、最高回転を使うレースエンジンなんか、ノックの要素は街乗りより多いのに、圧縮比は13なんて高い。確かに街乗りだとゼロ発進という非常に面倒な問題があるし、始動性もあるので、あんまり高圧縮がいい訳じゃないが、圧縮が高い事がモーターノックにつながる訳でもない。RSはアイドル時の圧縮圧力が13.5kgあるが、1気圧が1kg/cm2だと考えれば圧縮比は13.5もあるという訳で、充填効率が落ちる高回転では、実は結構ふやした方がいいんじゃないか?とも思う。では次にノック要素と圧縮上げの方法について。
ヘッドガスケットと燃焼室
圧縮を上げる方法では、面研とガスケットが使われる。RSだと構造上あまり薄いガスケットは使えないと言うが、しかしガスケットがまず先に改善されるべきではないか?と思うし、ここを改善すると圧縮比は自然にかなり厳しい値になっている。近年ガスケットはかなり進化した。アスベスト製のぬけやすく厚いガスケットから、メタル系の薄くて強いガスケットが増えた。特に燃焼圧が大きいターボエンジンでは、メタル系への変更は必須だったかも知れない。が、RSのガスケットは旧態依然の厚いガスケットらしい。確かにピストンと当たるという問題はあるんだけれど、それは設計だからなあ。厚さに関しては純正データーが不明なのだが、アフターパーツでの話だと多分1.2mm位らしい。これはターボ車の圧縮ダウンパーツかと思うほど厚い部類だ。ガスケットが薄いという事は燃焼に参加しないクレビスボリュームを減らすという事にもなるし、ノックしなければ性能が上がるので、上げられるなら上げたいが、どの位可能なのだろう。
市販で一番薄いと思われるのは0.8mm位だ。約0.4mm減る事になる。という事はボアが78mmのB6だとストロークが1mm減ると大体5cc容積が減る.一気筒400ccで圧縮比9.4:1という事は燃焼室がだいたい42.5ccで、それが40cc位になると、圧縮比が10前後という事になる。でもクスコの1mmの製品(カーボン製)は圧縮比が10になると言っているので、計算に間違いがあるか、ガスケットの潰れがあるかも知れない。理想としては0.8mmという事になるのだが、実は探してみるとノーマルボアで0.8mm厚ガスケットというのが見つからない。どれもビッグボアに対応している製品ばかりだ。確かにガスケットはボアギリギリのサイズという訳ではない。それだとピストンと干渉してしまう(B6だと)から、若干引っ込んで1mm位オーバーサイズというのなら分かる。でもφ80mmのガスケットをノーマルボアに組むと、折角減らすはずのクレビスボリュームが逆に増えてしまう。それを言えば純正もギリギリだと怖いはずだが、それを目安に燃焼室の形状をいじっていたりするのはどうなんだろう?とも思う。それとも純正はかなり精度がいいのだろうか?
ところでガスケットを換えると問題になるのがバルタイのズレである。続く。
追記:純正はメタルで1.25mmでした。でもBPエンジンでは0.7だったか、かなり薄くなっています。圧縮比は逆に9ですから、BPでガスケットで圧縮比を上げるのは大変ですね。
カムとバルタイ
ロードスターのNA8とNA6のスペック比較をしていたら、なぜか初期のB6(多分90年3月ぐらいまでのはずだが、どうも記事が信用出来ない)にカムタイミングが二つ併記されていた。一つは普通のイン236度のエキ248度カムだが、もう一つはかなり小さいカム開度になる。確かにその頃エンジンクランクシャフトが改良されたという噂があるので、カムをいじったかも知れないが、それほど出力に違いはないし、本当ならもっと知られているはずなので、ミスプリかも知れない。それともAT用のカムかな。かなり小さいカムです。ま、ノーマルのカムはリフト量も7.8mmだしイン側も作用角が控えめな事は分かる。これはBPだともっと酷くて、イン側は233度しかないのだが、リフト量は逆にノーマルで8mm確保しているし、エキ側は250度ある。更にイン側が小さくなっているのだ。これは不思議。
通常ハイカムというのは、カムリフト量が増える。よく256とか272とかのハイカム、と言うが、実のところそれは開度の話でリフト量じゃない。でもバルブの加速度がサージとかしない為には、リフト量を上げるにはより手前からゆっくり上げだしてやらないといけない。さもないとバウンスやジャンプやカムかじりの原因になる。しかし、リフト量と開度はアフターパーツを見ているとまちまちであるし、256も264も同じリフト量というケースも同一メーカー内である。何でか?一つはカム山が周囲に干渉する恐れがあるからだ。あんまり尖っているカムを回すと、ヘッド内のクリアランスが足りなくて干渉してしまう。それじゃあ使えない。HKSの新しい方のカムの話を信じるなら、ほぼ9mm程度がその限界のようだ。ただ素朴な疑問として、油圧ラッシュアジャスターがあるなら、ベースサークルを小さくしてリフト量を稼げば、カムが多少きつい形でも収まるとは思う。もちろんカムの面圧はそれだけ上がってしまうのだが。またバルブキッスの問題もあるだろう。バルタイと関係してくるが、作用角が大きいほどピストンとのクリアランスも詰まる時がある訳だ。ただこれはカム作用角との兼ね合いもあるので、どれがどうとは言えない。話を純正ですると、BPはイン側は作用角を減らしても、リフトは上げている訳で、まあ大した事じゃないかも知れないが、気になる。
吸気効率の話をすると、正直ハイカムは欲しいが作用角が広い事には疑問がある。吸気抵抗が一番大きいのはバルブ回りであり、B6はビッグバルブ化は難しい(スモールボアだから)から、リフト量で吸気を稼ごうというのはまっとうな考えだ。でも作用角が増えてオーバーラップが増えると、どうしても高回転型になってしまう(そうじゃないのもあるけど)。低速でのドライバビリティーや排ガス性能を考えると、オーバーラップはふやしたくない。まあバルタイで多少調整が利くだろうが。NAは回転でパワーを稼ぐというけれど、B6はノーマルでもパワーピークが6500回転と高い。あと500回転も回ればシフトアップしないといけないし、そういう運転は疲れる。確かに純正のトルクは6000を越えてからかなり落ち込んで、カムが悪いのかECUが悪いのか疑問に思う。パワーピークだとトルクが1キロぐらい落ちている事にメーカーはなっていますが、7000回転では実測値で3キロ近く落ちているような感じもあるので、そこら辺で急激にトルクが落ちているのは事実のようです。ま、あんまり回せそうだと、回してしまう人が出るかも知れませんが。またECUもそこら辺で濃いとは言われています。どちらにせよ、500回転しか先がない所でピークパワーを出しても扱えないと困るので、出来ればもっと下からふやしたい。それには広角度カムはどうなのか?と。
しかし純正ECUとポン付けカムの関係は悪くないようで、空燃比が改善される事も含めてパワーが10馬力近く上がっているのは事実です。それでも下でも辛くない。ノーマルが小さすぎるのでしょうか。またカムのもう一つの要素であるカムプロフィールですが、リフトを上げるだけなら確かに拡大した形でいいんですが、リフト制限がある場合とか、リフト量増加が意味がなくなる場合などは、むしろ大きく開いている時間を多く取るようにします。台形カムですね。RSのイン側バルブは31mmなので、バルブ面積は(31/2)二乗π平方mmですから、31πで割ると約8mmになって、リフト量は最低8mmあれば、ポートとバルブをある程度使い切っている事が分かります。もちろん広ければ広いほど吸気抵抗は減るのかも知れませんが。
カムにはバルブタイミングの問題が付き物です。上でガスケットの話をしたのは、テンションが右にある右でひっぱるB6エンジンは、0.4mm薄くなると、バルタイがそれだけ進み気味になります。つまりイン側は遅く開いて遅く閉じ、エキ側も遅れます。オーバーラップとかは変わりませんが、低速寄りになるそうです。バルタイの意味はあんまり良く分からないんですけど、狂ってしまうのは分かります。またイン側はクラセンも一緒に回るので、そいつも調整しないといけません。そう考えるとRSでガスケットを換えたら、バルタイも取り直したし、イン側カムも交換すれば性能があがりそうだ、という事になります。中心角は105度辺りが全域で上がっているように書いてありましたが、イン側はそれで進む(バルブは遅れる)としても、エキ側はそれでは戻る(早まる?)ようなので、この情報もあてになりません。
追記:不思議な事ですが、私は自分で本などの情報を総合して書いているんですが、その内容を先取りしたようなページがあります。決して真似していないし、以前はその意味があまり良く分かっていなかったんですが、最近自分の考えがそこの商品の方向性と非常に近い事に気が付きます。今回のカムに関しても、そこにはラッシュを殺すハイカムはあるんだけど、もう一つ純正加工のカムがありました。そして多分ノーマルでちょっと圧縮あげるけれど4スロじゃない物なんかには、そっちの方がいいんじゃないか?という事を感じました。ただ値段が結構いいんだよね、下取りなのに。
あとカムプロフィールに関しても面白い事を発見しました。カム形状は確かに卵形が多いんですが、バルブ速度を考えると、かじらない限りは立ち上がりを早めてジャンプを見越して頭を丸め、下りはバウンスしないように遅くする、という物もあるそうです。吸気側も排気側も重要なのは、出来るだけ圧力が掛かっている時に瞬間的に開けてやる事です。
問題は私が思っているよりも、カム辺りは変形している事です。カムなんてあのベルトで軽く駆動しているだけだと思っていたんですが、実際はクランクシャフトのように捻れや曲げが起きているそうで、それはバルブに関してもステムの縮みなんかがあるそうです。つまり単純に強化バルブスプリングなんかにした日には、バルブは追随してもカムが曲がる可能性もある訳です。ちゃんとカムプロフィールを使う為には、カムシャフトの強化、表面処理、ジャーナルホルダー補強、などなどが考えられます。HLAも当然歪んでいるはずなので、結構大変ですね。
バルブの話
B6のバルブはインが31mm、エキが26.2と、思ったより大きかった。4AーGE(4バルブ)が30.5mmと25.5mmなので、こっちの方がバルブだけ見れば大きい。5バルブ化した後のエキゾーストバルブと結構近い。もしかしたら純正のイン側カムの作用角が小さいのは、バルブの大径化によって実質の吸気量は充分取れると考えたからかも知れない。これならカムプロフィールをきつくしないでも開き始めをより大きく開けられる、一つの問題を除いては。それはバルブのチョーキング現象とかシリンダー壁との抵抗だ。というか不思議なんだが、4A−GEはボアが81mmあって、B6は78mmしかない。だから時々流用されて1750cc仕様になったりするんだけど(ピストンが高いので、コンロッドにB16を使うが)、ボアが小さいのにバルブを大きくするというのは、吸気抵抗的には厳しい。つまりバルブ外周はお隣のバルブ側吸気とは干渉するし、エキゾーストバルブが燃焼室面一でない場合には、そっちとも干渉するし、スキッシュエリアの角とも干渉するし、シリンダーボア側もさほど広くない、そういう事になる。たとえて言えば、筒に水を入れるのに、バルブのような機構が筒の底にあったとして、ある程度まではバルブは大きい方が水が入りやすいのは分かると思う。でもある所でそれは最大になる。それはポート径とバルブと筒とのクリアランスが一緒になった時だ。それ以上バルブを大きくすると、最終的には水鉄砲のように、押すピストン側から水は入らなくなってしまう。そこまで極端ではないだろうが。実際エンジンをいじった人の話だと、スキッシュとの隙間が汚いという話もある。
それからバルブの大径化が4A-GEで行われなかった意味を考えてみる必要があるだろう。あそこはヤマハ的な5バルブ化したが、バルブのサイズは拡大しなかった(92と86は一緒)。一つは動弁系の重量の問題で、大型化すればバルブの追随製がネックになり、高回転化出来ない。シム式の4A−GEの方がバルブ系重量では有利であり、それをスポイルしたくなかったかも知れない。でもバルブが増えるという事は非常に技術的に難しい問題を含んでおり、それをいくらバブルだからだと言って、簡単に5バルブ化したとは思えない。あ、バブルとバルブを引っかけたのか?そこで思い出したのがトムスのチューナーの話だが(トムスというのはトヨタのワークスかなんかだと思う)、N1ベースはポートを削れないから、ストックエンジンから素性のいいのを選んだ、という話である。メーカーラインで作られるエンジンでも製造誤差があって、それが性能にも影響する、という事だが、重量合わせなんかはどこがやっても同じ(これも同じ重量の物をランク分けしてストックしておけば簡単だ)らしいが、ポート形状では違いが出たらしい。ポートは鋳型なので、差が出ないらしいのに(一応型の寿命があって、精度が出ている型とそうでない物はあるとしても)、何が違ったのか?
それはポートとバルブシートとの段差だったと言うのだ。設計としてはポートのど真ん中にバルブがあるのが理想だが、機械加工でも誤差があって、ポートとバルブ中心がずれている場合がある。するとバルブの手前の広がりが不均一になるので、ポートが有効に使えていないはずらしいのだが、「一定方向にずれている」物が一番パワーが出たと言うのだ。つまりもっと言えばポートの形状がある程度細い方がパワーが出た、そういう事になる。そういう事でポート径拡大によるビッグバルブ化は見送ったんじゃないか?そう思うし、もしかしたら燃焼室側でのチョーキングもあったかも知れない。
点火時期考察の続き
ちょっと上で「MBTが先で空燃比が後」と書きました。実際セッティングに関しては「出力空燃比だけど点火時期遅れ」と「より濃いけれどMBT」という二通りのセッティングだと、後者の方が性能がいい事が多いそうです。もちろん排気温度の問題もありますが。ところで先に燃焼温度はよりリッチ側で最大と書きましたが、違いましたね。13前後の理論空燃比と出力空燃比当たりが高いそうです。また急速燃焼もノックを上げる要素になるそうです。圧縮比は上げたいけれど、ノックするし、MBTで最大圧にしたい、そういう訳でプレミアムガス(ハイオク)が燃料側のアプローチとして使われる訳ですが、それは文字通り燃焼を遅くする訳です。急速燃焼とは反対ですね。ただエンドゾーンでの自己着火が問題であり、実際の燃焼速度はガス流動速度が支配的だそうで、特に高回転ではさほど空燃比などで燃焼速度は変わらないそうです。もっと問題になるのは、低速高負荷という奴ですね。
高圧縮にすると、確かに高回転でのノックは怖いでしょうが、上に述べた理由で実はトレースノックとMBTとの間はさほど差がないと言うか、それが原因で詰められないという訳ではないそうです。もっと問題なのは低速でガス流動が遅く、圧縮が上がってしまう高負荷(アクセル全開)状態だそうです。つまりオバサン運転でカリカリと3速でノックさせながらカーブを曲がる、アレの方が制限要素としては大きい。本当につまらない所でメーカーは性能を落とさざるを得ない訳ですね。その先はむしろガス流動が速くてノックしづらいと考えていいみたいです。で、先の話に戻って燃料側からの高圧縮へのアプローチがハイオクなら、吸気(?)側からのアプローチがリーンバーンでありEGRな訳です。どっちも火炎温度や燃焼スピードを遅くしてノック限界を上げています。どちらも低回転高負荷でのドライバビリティーを上げている、そして点火時期は遅らせない、そういう方向がはっきり見えます(でも評判は必ずしも良くないが)。
またターボの燃費が悪い訳で、以前「燃料冷却の為に濃いガス食わせている」と書きましたが、点火時期から見ると、低回転でのノックを嫌っている事が分かります。まあブーストは低回転でそれほど上がる訳じゃないし、NAよりガス流動は有利かも知れませんが、ターボだと圧縮の問題が非常に大きいと思います。例えばNAは上手く慣性吸気や脈動を利用しても、充填効率は1.1ちょっとだと言われていたと思います。RSで言えば、アイドルでは圧縮比9.4のエンジンが13程度になっているのですが、本当に他の気筒で排気ガス流動があれば、もっと下がるという訳です。そこをブーストで0.4キロ掛けてやれば1、4倍の吸気になるので、実圧縮も1.4倍になってしまいます。まあ実際には圧縮などで吸気温度が上がってしまって、純粋に圧縮比だけでノックは語れないのですが、そういう事です。そうなると定常速度でドライブする時なんかがむしろノックしやすくなるという、矛盾があります。省燃費エンジンなのに、経済走行で使う低速中負荷から上でいきなりノックの可能性がある訳です。昔の技術だと圧縮比を大幅に下げて、ブーストが効いている時にバランスさせてしまい逆にドッカンターボになったり、燃料でごまかしてMBTを取って、逆に燃費が悪かった、そいう見方も出来ます。今はターボの方が10・15モードでNAより燃費がいいケースもあるので、かなり耐ノック性を上げていると思いますが、それでも制御は難しいでしょうし、マージンも必要です。ただそういう視点から見ると、ターボをストリートで使おうと思ったら、下手に大排気量だとノックしやすいので、小さいエンジンを回して、積極的にターボを使う方向(例えば軽自動車なんかはそれです)か、逆にブーストは落とすだけ落として大排気量エンジンと組み合わせるか、って事になるように思います。こう見ると、タービン関係の進歩も認めないといけないですね。
私は自分はNA派だと思っていたし、メカ的にはNAの方が「自然」だと思っていました。ただ色々調べるにつれて、あのカタツムリも飼ってみたいな、と思いますね。RSはベースとしては面白いと本当に思います。でも問題は制御系もかなり換えないとダメだし、シャーシを考えるとそれほどターボを効かせられない、その点でしょうか。見回してみましたが、意外と1.6から1.8リッタークラスの軽量スポーツターボってないですね。SRはやや格上だし、シルビアは重い。ホンダにスポーツターボはないし、三菱も2リッターから。トヨタはスターレットが唯一近いけれど・・・。ストーリアベースの1リッターエンジンベースのX4か、スズキのカプチーノにカルタスの1リッターとターボを組み合わせてカプチーノワイドとか言ってだせば受けそうですが。
テレビCMの最近
前に「アイフルのCMで犬を借金で買いそうになる宣伝は、ペットをファッションで飼う悪風と、我慢出来ない風土を作ろうとする、最悪のCMだ」と書きましたが、良く読んでいる「CM天気予報(朝日)」で同じCMを「唯一とげとげしくない、かわいいワンちゃんでホッとする」と評した読者投稿が紹介されていて、ちょっとガッカリしました。良く考えてみれば、CMの悪口というのは一般論では言ってもいいけれど、あんまり特定して言えば当然批判も来る訳だし、自動車界とジャーナリズムで書きましたが、メディアと企業は深い癒着関係があるので、あんまりあからさまな批判は出来ないですよね。だから、いわゆるファッションというかメディア論としてのCM天気予報は出来ても、その背景にある話に突っ込んだ批判は期待したこっちが悪かった訳です。
しかし嬉しい事もありました。多分本当にクレームつける人がいたのでしょう、あのCMの最初に、画面下ですが「ペットは責任をもって飼いましょう云々」という文字が付きました。同様な事はカメラ付き携帯でもあって、「町で見かけた素敵な人を写真に撮りましょう。素敵な出会いがあるかも知れません」というココリコの田中が交通誘導しているのが最後のショットのCMがありました。CM中では勝手にその人の写真を撮っていたんですが、途中から画面下に小さく「人物を写真に撮る際は本人に許可をもらってから撮るようにしましょう」という注が付くようになりました。私としては不快なCMだったんで、さっさとやめればいいのに、と思いましたが、逆に言えばセンスがないCMと企業文化を宣伝しているような物なので、ドンドン放送しても良かったようにも思いました。私はテレビ放送が全て本当じゃないといけない、とか言う頑固なクレーマーではありません。ナプキンにブラックホールの科学を利用していようが、吸水ポリマーだろうが多少の嘘は面白いとさえ思います。大体テレビに接する時間が長いほど、その内容は薄くて意味がなくなって、どうでも良くなります。でも単独で見た時にはちゃんと常識内の作品にして欲しいです。
さて最近のお気に入りは「フリスクス シャープンズ ユウ アップ」の宣伝です。この宣伝は初期は全然面白くありませんでした。魚が飲み込んで水槽から海に帰ってしまう、そんなあほらしいCMに時間と金を掛けていた訳です。これがちょっと前には実験室シリーズになりました。Xファイルのような実験室で、野球の球をフリスクスを食べた選手が捕まえるだけ、という意味不明なCMで、最後に実験している博士の服が「ボン」と大きくなるというだけです。同様に騎手に本物の馬と偽物の馬(あからさまなかぶり物)を見分けさせる、というシュールな物もありまして、最後にやっぱり博士二人が「ボン」と膨れます。多分当たり前の事が出来るようになっただけ、つまりフリスクスを食べた人が賢くなった、というCMではないでしょう。恐らくシャープンズ ユウ アップ(頭を冴えさせる)を逆に捉えて、博士連中が太くなる事で相対的に被験者が細くなる(身体的なシャープさ)という事から、「フリスクスで頭が冴えると言っても、ちょっとした程度で、むしろ大きな期待をしている奴らはシャープじゃない」という皮肉が入っているのかと思いますが、あんまり分かりやすいCMじゃありませんでした。
最近のは、シリーズを重ねてやっと練れてきたんでしょうか、最高です。マッチョガイがダンベルを上げながら分厚い本を読んでいます。ここでフリスクスを一粒飲むと、彼は本を逆さにしている事に気が付きます。タイトルはフィロソフィー(哲学)です。あんまりにもハードブロウなんで、かなり笑いました。笑いを取るというか、もっとブラックですね。もう一つ、やっぱり発想の転換で「え、そっちかよ!」みたいな奴がありますが、ネタは似ていますが出来はいいです。察するにCMプロディーサーは相当量のフリスクスを食べたんでしょうね、むしろそっちの意味でフリスクスに感心しました。
逆に最近のCM天気予報ではボスのCMでトヨエツとアユが肉体労働者を演じながら「ボス、君のことが好きさ、ボス、だから僕を見捨てないでお願いボス」って替え歌を歌う奴を取り上げていましたが、先に白状すると、消防士をしているとトヨエツでもクボズカでもタナカでも、どうでもいいです。スターの意外性、なんて言ってますが、スターにぶら下がりCMって点では、以前から批判していたCMと同じで「取り上げる価値なし」でしょう。二流もいいとこです。昔のボスは面白いCMだったんだけどね。ただアユに関しては、潜在的にあのCMが強烈なイメージを残したようで、夢に出てきました。浜崎あゆみが大型トレーラーの運転手をしていて、上手に5両編成のトレーラーで校庭の回りを運転している夢を見ました。